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鈴木愛「相手をヒヤッと」させた攻めの駆け引き

◇国内女子◇ニチレイレディス 最終日(23日)◇袖ヶ浦CC新袖C◇6548yd(パー72)

ゴルフには流れを引き寄せる「駆け引き」がある。

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同じ最終組で首位の高橋彩華を2打差で、2位の比嘉真美子を1打差で追った後半11番、156ydのパー3。ティイングエリアで鈴木愛が迷わずクラブを選択した姿に、森本真祐キャディは若干驚きもあったという。

「ピンをちょうど攻められるクラブを抜いた。2打差を追う状況。正直言って、まだ安全にいっても良いとも思った。ここから攻めるのか、彼女はやっぱりすごいなと」

左下に切られたピンに対し、ショートサイドのバンカーに入れた。ただ、つま先下がりの難しいバンカーショットを3mに寄せてパー。差を広げさせなかった2017年賞金女王に、森本キャディは「ここでボギーにしないのが、強さだと感じる」と感服する。

11番以降、鈴木の選ぶクラブの番手はそれまでと明らかに変わったという。

「ピンを狙えるクラブばかり。一気にギアを上げてきた」。森本キャディは選手をサポートして通算34勝だが、一流プロのマネジメントを信頼して見守った。

「当然攻めるのは、大きなリスクもつきもの。勝負どころでボギーは、致命的になる。そこには確かな技術力がないと難しい。彼女は駆け引きでそれ(攻めること)ができる、数少ない選手だと思う」

試合後、鈴木は言った。

「11番から、ピンを攻めることで相手をヒヤッとさせるゴルフをしないといけないと思った。たとえショートサイドに外れても」

9番でダブルボギー、10番(パー5)でもバーディが獲れず。11番では先にティショットを打った比嘉真美子高橋彩華がともにグリーン右サイドに置く1打目を見守った。

「ピンにからめていくと、ここで思えた。流れを変える意味もあった」。終盤に停滞した感の否めない最終組でリスク承知の攻めのマネジメント。14番では119ydからPWで2.5mに絡め4つ目のバーディ。最終18番(パー5)は2オンからバーディで締めて、今季3勝目につなげた。

鈴木は「ティショットはところどころ曲がったけど、11番以降のセカンドはピン筋に飛んだと思う。やっぱり11番で流れを大きく変えられた」と胸を張った。(千葉市若葉区/林洋平)

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