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渋野日向子「戻った笑顔」で同世代3人目の複数回V

◇国内女子◇資生堂アネッサレディスオープン 最終日(7日)◇戸塚CC(神奈川県)◇6513yd(パー72)

渋野日向子が逆転でツアー通算2勝目を挙げた。2打差2位から「71」で回り、土壇場で並んだイ・ミニョン(韓国)をプレーオフで破った。今季開幕前の期待値は高くなかった20歳が、ともに同学年の畑岡奈紗勝みなみに続き3人目の国内複数回優勝者となった。賞金ランキングは申ジエ(韓国)に次ぐ2位(約7432万円)で日本勢1番手に立った。

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強い雨風の下、満面の笑顔だった。18番で行われたプレーオフ1ホール目、ウィニングパットを決めると右手を挙げた。「攻めの気持ちを忘れなかった。プレーオフはアマチュア時代に1回経験し、負けた。でも(きょうは)平常心で戦えた」。岡山市の実家から初めて観戦に駆け付けた母・伸子さん(51)が見守る前で優勝。「見せられて嬉しい」と喜んだ。

ツアー初優勝を国内メジャーで飾った5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」以降、最大の持ち味を忘れていた。「いつも笑顔」。心に決めた自分との約束を破った。目標を問われれば、周りに合わせるように「賞金女王」と答えた。「期待は嬉しかった。でもそんなレベルじゃないのに『賞金女王』って言った。全然うまくいかなかった」。3週間前の「宮里藍サントリーレディス」の際、師事する青木翔コーチにプレー中の態度に関して戒められた。「自分への怒りを出していた」という。

意識の変化は表情に出た。「自分の調子が悪いときに笑っているのって結構つらい。でも目標も(達成可能な)1億円に変えた。今は、素直に楽しんでいる」。後半12番のボギーで首位のイとは4打差となり、目にはうっすら涙が浮かんだが、「次の13番はバーディを狙えるホール。絶対に諦めない」と歓声の後押しを受けた。

表情の変化は人を集めた。15番では20mのバーディパットを沈めて両手を挙げ、ダブルボギーをたたいた相手と1打差に。「本当に応援してくださる方がいっぱいいた」。歓声を受けた17番は2.5mを決めた。プレーオフで18番ティに向かう途中で観客に手を振った。「たくさん名前を呼んでくださる(笑)」

疲労の溜まる4日間大会3連戦の2戦目、前日の練習後はサインを待って列をなした80人に最後までペンを走らせた。「疲れ?ないですよ。嬉しさだけです」。日本人選手として、2004年の宮里藍以来2人目となる本格参戦1年目で1億円突破が現実味帯びてきたシンデレラガールは、満面の笑みで言う。「今年は、お世話になった方への恩返ししか思い浮かんでないですね」(横浜市旭区/林洋平)

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