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羽川豊がバーディラッシュで逆転優勝「話題は提供しないとね」

静岡県の裾野カンツリー倶楽部で開催された国内シニアツアー「ファンケルクラシック」の最終日。首位と9打差の35位タイから出た羽川豊が、10バーディ、ノーボギーの「62」をマークして一気の追い込み。通算8アンダーで並んだ全米シニアプロ覇者・井戸木鴻樹とのプレーオフも制し、奇跡的な逆転優勝で2011年「トータルエネルギーカップPGAフィランスロピー-」以来のシニア2勝目を飾った。

絶望的にも思えた大差を追って早朝にスタートし、前半を2バーディで折り返した羽川は、10番(パー5)で2オンに成功してバーディを奪うと、11番では3メートル、12番では手前から8メートルのパットを沈めて3連続。14番からは、まるで何かのスイッチが入ったようにアイアンショットが冴えはじめ、ピンそば1メートル以内にからめるスーパーショットを連発。18番まで一気の5連続バーディで文字通りにリーダーズボードを駆け上がった。

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後半のスコアは驚異の「28」。前日までの上位陣より一足早く、通算10バーディでホールアウトし、クラブハウスで首位争いの主役に立った。2日目までは合計3つしかバーディがなかったのに、一夜で大変身。「昨日までは予選落ちが(頭を)よぎっていたけど、どれだけ攻められるか、怖さがある中で、時には無理な攻めの姿勢も必要」と反省。予選落ちのプレッシャーから解放された最終日の爆発につながった。

羽川の約2時間半後に、井戸木鴻樹が首位タイに並んでホールアウトし、勝負はプレーオフへ。18番ホールで行われたプレーオフ1ホール目、ともに第2打をグリーン右サイドのバンカーに入れ、両者バンカーからのアプローチ対決となった。羽川の第3打は、井戸木よりわずかに遠いピン手前約4メートル。「先に打つ方が楽。あとのほうがプレッシャーは倍だった」と、状況判断して上りのラインを先に沈め、後で打った井戸木がバーディパットを外して、目論見通りに勝負を決めた。

「ツアーを宣伝するためにも、何か話題になるようなことがしたかった」と羽川。その思惑通り、“62”ストロークは、大会最少スコア記録の更新とともに、自己ベストタイに並んだ。「シニアだってまだまだやれる。今日は納得のゴルフだった」と、55歳のレフティーはこの日の快勝劇を締めくくった。(静岡県裾野市/糸井順子)

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