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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちのプロ魂<鈴木亨>

2008/05/12 09:59

意外な場所で大人気だ。それは、あるアイドルグループのコンサート会場。その姿を見つけるや、鈴木亨のまわりには握手を求める人だかり。そして、決まってかけられる言葉は「頑張ってください、お父さん!」だ。

アイドルのファンサイトに、試合の経過が掲載されることもある。「たったいまお父さん、○○センチのパットを外しちゃったよ!」。生々しい“速報”に「自分ひとりのことじゃないから、下手なことはできない」と今季は特に、開幕から気の引き締まる毎日だ。

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14歳になる鈴木家の長女・愛理さんが、「モーニング娘。」の妹分的存在に当たる、通称・ハロプロキッズの7人組ユニット「℃-ute」の一員であることは知る人ぞ知る話で、歌って踊れる実力派アイドルとしていま人気急上昇中だ。昨年末には紅白歌合戦で初出場を果たしたばかりか、レコード大賞の最優秀新人賞を受賞するなど破竹の勢いに、父親も発奮。「お父さんも負けてられない!」と、張り切っている。

特に、先の中日クラウンズでは気合いが入った。コンサートツアー中の℃-uteが、大会の地元・名古屋市内にやってきたのは折しもその週の火曜日(4月29日)。当初、体調不良を訴えていた愛理ちゃんだったが、心配して駆けつけた父親の目の前で元気いっぱいにステージをこなしていた。

大盛況のうちにコンサートは幕を閉じたが、それでも娘は不満そうに首を振った。「良いステージが出来なくて悔しい」。その言葉には父親は、「僕よりもプロ意識がある」と脱帽した。

大勢の前で、得意分野を披露するという点では親子で重なる部分があるかもしれないが、「広いコースにお客さんが散らばっている僕らとは、またワケが違う」。ホールをぎっしり埋め尽くした大勢のファンの前でまばゆいばかりのスポットライトを浴びながら、体調の悪さなどみじんも見せず、満面の笑顔で歌い踊る娘の姿に、プロ20年目の父親の背筋も伸びた。

改めて、プロ魂を呼び覚まされてその週、4位タイ。娘と同世代の石川遼の奮闘が光る今の男子ツアーは「僕を含めて40代の選手に元気がない。今年は、ぜひ存在感を示していきたい」と話す“愛理ちゃんのパパ”が、娘の活躍を励みに上昇気流に乗りつつある。



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