ツアープレーヤーたちの抱腹絶倒<尾崎健夫>
2007/12/17 10:30
出場全選手がステージの上でズっこけた。今月8日(土)に、大盛況のうちに終了した女子VSシニアVS男子の対抗戦「Hitachi 3Tours Championship 2007」。大会2日目のスタート前のセレモニーで、ジェット尾崎がまさか、まさかのパフォーマンス。
まだ一度も勝ち星のない我がシニアチームの士気を高めようと、やにわに拳を握ってアピールだ。「さきほど舞台の袖で、僕らは即席の決起集会を開きました。では、さっそくその成果をみなさんに披露しましょう」との前振りに、メンバーたちも照れくさそうに拳を握る。そして、いよいよジェットの合図で始まった。
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「さあシニアのみなさん、僕のあとに続いてね。…お天気!?」
「りょうこ~(良好)!」
「気分!?」
「りょうこ~(良好)!」
「・・・坂口!?」
「りょうこ~(良子)…」
坂口良子さんとは、いわずと知れたジェットの彼女だ。自らの私生活をネタにしてその場を盛り上げるサービス精神には、ライバルの男子チームも思わず口をアングリ。最後のフレーズに差し掛かるころには、チームメイトであるシニアの面々ですらも、「りょうこ~」と一応は口にしながら、途中から吹き出してしまってほとんど腰くだけ…。
周囲が唖然呆然とする中で、当の本人はシレっと言った。「だ~って、いまさら隠すもんでもないだろう~?」。坂口さんとの交際が明るみになってから、もう十数年。幾度か結婚間近の報道もされながら、最近は音沙汰がなかったが、いまも静かに愛をはぐくんでいた。
入籍こそまだだが「もう、ほとんど結婚しているようなものだし、時期が来たらね」と、将来的には書類上の手続きも、きちんと踏む考えがあるという。最近では2人揃っての仕事のオファーも増えて、今年の暮れもまた旅番組で、温泉旅行のテレビ収録が入っているという。
「湯加減の感想をしゃべってください…な~んつって、ディレクターさんに言われる前から、あとからあとから言葉があふれ出て。勝手に喋りまくってるから俺って天才!? まあ、男子ツアーのヤツらと違って、その点では俺に心配は一個もないんだよ!」などと、よく分からないところで自慢していたジェットだが、実はそんな明るい笑顔の裏で本当に深刻な問題が持ち上がっていた。
この夏あたりから原因不明の頭痛に悩まされている。53歳。年齢が年齢だけに、「重病ではないか」と本人も不安になって、シーズンオフにはさっそく精密検査を受けるつもりだった。実は、まさにその週にも人間ドックの予定を入れるつもりだったそうだが、シニア代表メンバーに選ばれたことで、また少し延びてしまった。大会最終日の翌日に行われたプロアマトーナメントのスタート前も「今もジ~ン…と痛いんだよなあ。まあでも、最初のころより症状もマシになっているから自分としては神経(痛)のほうではないかな、と楽観はしているんだけれど。まあ、診ておいてもらうに越したことはないし、とは思ってる」と話していたから、きっとあのあとすぐに病院に向かったことだろう。
今季もシニアとレギュラーの両ツアーを股にかけて精力的に戦いを続け、レギュラーではみごと5年ぶり20回目のシード権を取り戻したジェット。会場に来れば常に話題の中心にいて、なんやかやと若手に“口撃”をしかけて恐れられている(?)が、その素顔は意外にも思いやりにあふれて温かい。一見、破天荒に見えて実は緻密に計算された“エンターテナー”ぶりで笑いを取る。男子ツアーにまだまだなくてはならない存在だ。開幕までには心配な偏頭痛も治まって、来年はジェットがどんな抱腹絶倒の復活劇を見せてくれるの…!?