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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの練習方法<佐藤信人>

2007/07/09 01:14

いま、新しい練習法を模索中だ。それは「練習しない練習方法」。一見、矛盾するこのやり方で、佐藤が徐々に成果をあげている。ボールを打つのは、朝のスタート前だけ。それも「ウォーミングアップと確認程度」。必要最低限にとどめ、ホールアウト後はいっさいクラブを握らない。

以前の佐藤には考えられないことだった。一度打席に立つと、「それはもう、しゃかりきになって打ってしまう」。一球でも気に入らないショットが出ると、「完璧を求め、気持ち悪さがなくなるまでやめられなくなってしまう」という。

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そこまでやっても、結局思うようなスイングが出来なくて「むしろ余計に悪くなって」ストレスを抱えたまま翌朝の1番ティに立つこともしばしばあった。持病の腰痛も、それが原因のひとつにあったかもしれない。

「これでは、練習の意味がない」。ついに昨年はついに賞金ランキングによるシード権を失って(80位)考えなおした。コーチの井上透さんと話し合い、「ラウンド後は練習しないこと」。そのかわり、井上さんとその日の課題を与えてもらい、頭の中で理想のスイングを繰り返す“イメージトレーニング”だけにとどめることにしたのだ。

もっとも、最初はかなり抵抗があった。ホールアウトして、すぐにロッカーで帰り支度をすることに慣れなくて「こんなんで本当に上手くなれるかな・・・」と不安になったこともあるが、次第にこのやり方に馴染んできた。

「おかげで深みにハマることもないし、むしろ練習しないほうが、翌日に良いプレーができる確率が増えてきたし、体にも優しいし」。今では「前向きに練習しない練習法」とサバサバと言って、毎日早々にコースを出るほどだ。

しかし、すっかりお気に入りのこのやり方もただひとつ、どうしても解決できない欠点があった。それは、「夜まで時間をどうやってつぶすか、ということ」。早くホテルに帰ってゆっくりしたいのはヤマヤマだが、たとえば午前のさらに早い時間のスタートだと、その時間に帰っても、清掃が終わっていないことがあるのだ。「すでに、これまで2回ロビーで待たされました」。

だから「これではまだ早すぎる」と思ったときには本屋に寄ったり、銭湯に寄ったり・・・。「何か趣味があるわけではないのでなおさら苦労してます」。ひとつ丸く収まったと思ったら別のところでまた弊害が・・・。プロゴルファーってつくづく、難しい職業である。



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