ツアープレーヤーたちのおねだり<上田諭尉>
2007/05/14 01:04
開幕戦でツアー初優勝をあげた上田諭尉が、翌日に電話攻勢を受けたことは、すでにお伝えしたが、さらに後日談があった。中でも一番、嬉しかったのがデーブ・大久保からの電話だった。大リーグの松坂大輔選手の取材で、渡米することになっていたのはその翌週。「そのとき、諭尉の優勝のビデオを持っていくよ」と、デーブは言ったのだ。
デーブを通じ、上田が松坂選手と知り合ったのは昨年末。折りしも松坂選手が、レッドソックスと超大型契約を結んだ直後だった。「大輔とゴルフするからお前も来いよ」とデーブに誘われて行ったラウンドで、意気投合した。
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「俺が勝ったというニュースを聞いて、ぜひ優勝シーンが見たい、それを見てパワーをもらいたい、と大輔が言ってくれたそうなんですよ」と、声を弾ませた。最終日は再三、ティショットを曲げながら辛くも勝った。「自分でもビデオを見たけど、よくあんなゴルフで勝てたな、と・・・(苦笑)」。
そんな“失態”までチェックされてしまうのは少々つらいところだが、それでもメジャーリーガー直々の“オファー”には、誇らしさも増すというものだ。「そんなに、俺は凄いことをしたのか、と。勝つと良いことが一杯あるって、本当ですね」と、改めて喜びを噛み締めた。
そんな嬉しい電話のほかに、届けられた電報や祝いの花。100通を超える電報は、明るい上田のキャラクターに合わせたのだろうか。アンパンマン人形がいくつも重複して届いた。花は「花屋さん一軒分くらいの量」。
足の踏み場もなく、いっときは部屋中が花の匂いでむせ返るようだった。見かねた母・悦代さんが、せっせとドライフラワーを作り始めたが追いつかない。「みなさん、せっかくだから次はぜひワインなどを贈ってください!」。ツアー2勝目は、また違ったものでお祝いしてもらおうという腹だ。