ツアープレーヤーたちのある1日<桑原克典>
2006/02/27 09:00
2006年ジャパンゴルフツアーの開幕まで、あと1ヶ月半ほど。オフの調整に余念がない選手たちは、この時期いったいどんな日々を送っているのだろう。シード12年目の桑原克典の、ある1日を追ってみた。
7:00 起床
8:00 朝食
8:30 入浴(1時間)
9:30 打撃練習(1時間)
10:30 トレーニング(2時間)
12:30 昼食(果物やスナック程度にとどめて軽めに)
14:30 お昼寝
15:00 トレーニング(2時間)
18:00 入浴
20:00 帰宅、夕食
21:00 入浴
22:00 就寝
・・・と、まあ大まかに書くとこんな感じだが、桑原の1日で注目すべきは、1日3度以上という入浴タイムだ。朝、自宅の風呂で1時間、たっぷり汗をかいたあと、練習&トレーニング。午後のトレーニング終了後には、近所のスーパー銭湯でたっぷり2時間、薬湯につかって汗を流す。帰宅して食事。そのあと、もういちど自宅の風呂で、ゆっくりと1時間浸かる。「ただ、漫然とトレーニングを続けるだけじゃ、ダメなんです」と、桑原は言う。
自宅裏の駐車場の2階に、打撃ネットまでしつらえて作られた広いトレーニングルームで、基本のストレッチやバランスボール。そのほか、ボクササイズやトランポリンなど、桑原流のユニークな調整法も取り入れたハードなトレーニングの後は、どうしても体内に疲れがたまる。
「疲れのもとになる乳酸を、いかに上手に排出できるか。それがうまく出来ていないと、トレーニングをやった意味もなくなります。オフの疲れをためたままシーズンの開幕を迎えるという、本末転倒な事態にもなりかねない」(桑原)。その解消法が、1日3度の風呂というわけなのだ。
さらに、入浴後は必ず自分で乳酸値をはかり、前日の数字と比較するという。もし、翌朝の数値が前夜より極端に上がっている日は思い切ってトレーニングを取りやめ休養に専念するなど、それはそれは徹底した自己管理ぶりなのだ。
ついでに書くと、上のスケジュール表にある14時からの“お昼寝タイム”も計算ずくだ。
桑原が伝え聞いたところによると、昼食をとった直後、14時20~40分の間は人間の集中力がもっとも途切れる時で、それは過去の事例からも分かっているそうだ。大事故やスポーツでの大逆転など、ハプニングが集中しているのも、この時間帯だという。「だから、その時間はあえて寝てしまう。この習慣はほとんど、毎日変わりません」と桑原。
昨シーズンはプロ入り後、初めてと言って良いスランプを迎え、終盤までシード権の確保を引っ張った苦い記憶がある。それでも、最後まで諦めずに踏ん張った経験が、再び桑原を奮い立たせている。「あれだけの地獄を見たのだから、あとは上るしかない。そう思って、今年は今まで以上にオフのトレーニングにも気合が入ってます」。2006年を復活元年と位置づけて、8年ぶりのツアー通算3勝目を見据えている。