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<鼻歌がリラックスさせてくれるのか、リラックスしているから鼻歌が出るのか>

ゴルフは実際に球を打っている時間よりも、歩いたり、立ち止まって待ったりする時間の方が遥かに長いスポーツだ。その間に、もちろん風を読んだり、芝の状態を観察したりと次のショットのことを考えているのだが、ゴルフにばかりのめり込んでいると、18ホール戦うための集中力を保つことができないとツアープロたちは言う。

だから、ただボーッとしている時間も、ここ一番というときに集中力を発揮するために必要なのだ。そんなときに、つい口を突いて出てしまうのが鼻歌だ。

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鼻歌にはリラックス効果があるという心理学者もいるが、どうも選手に聞くと「リラックスしているから鼻歌が出るんです」と、メンタルヘルスとして鼻歌を利用している訳ではないようだ。

「リラックスしていると歌が出て来ますね」と言うのは丸山大輔だ。選曲は「AKBの歌、フォーチュンクッキーとか、あとエグザイルやミスチルとかです」と言う。

小平智も「調子のいいときに口ずさんでいます」と言う。洋楽系が多かったそうだが、ある大会の前夜祭で細川たかしさんの歌を聞いてから演歌にも嵌っているとか。「『望郷じょんから』とか、『北酒場』とか、あと『心残り』の“私バカよね~”、なんかが出てきます」。

選曲が子供の影響を受けているプロも少なくない。

「心理的にいい状態のときに鼻歌が出ます」と言う山下和宏の場合は、6歳と3歳の子供が大好きな妖怪ウォッチがつい口を突く。「僕はいろいろなことが見えすぎるタイプなので、歌が出ると集中し過ぎなくていいんです。そうすると、打つときだけに集中できるようになります」と、山下は集中力のオンとオフに鼻歌を利用しているそうだ。

高山忠洋も子供に影響されているプロのひとり。「NHKの教育テレビとかでやっている子供の歌とか、子供と一緒に聞いている歌が、題名は分からないんですけど、よく頭に流れています」。

鼻歌ばかりではなく、耳に付いたギャグまで飛び出すと言うのが、賞金王争いで優位に立っている小田孔明だ。

「歌が出て来るのはしょっちゅうです。あと、テレビで聞いて耳に残っているギャグとかのフレーズも出てきます。最近は、女性お笑いコンビ・日本エレキテル連合の『ダメよ、ダメダメ~』っていうギャグが耳に残って、つい口を突いて出ちゃうんです。練ランしていて、相手がちょっとミスすると、“ダメよ、ダメダメ”っていう具合に。プロの間では結構、流行っていますよ」と小田は笑う。

鼻歌は、口を突いて出る場合もあるし、声には出さずに頭の中で駆け巡っているケースもあると言う。緊迫した試合の中で、プロの表情がふと緩んだら、もしかしすると頭の中に鼻歌が流れているのかもしれない。

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