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プレーヤーズラウンジ

<愛息も一瞬、見失った賞金王のまぶしさ・・・>

宮崎のダンロップフェニックスでのことだった。九州は小田孔明の地元。家族が応援に来てくれる数少ないトーナメントには子どもたちも駆けつけ、パパの勇姿を観戦しようとワクワク。週末の3日目に、瀟洒なクラブハウスの前で、6歳になる長男の龍亮(たつあき)くんの姿を見つけた。

嬉しそうに歩み寄るパパ。

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「おはよう!」と声をかけても、なぜか息子の反応が薄い。
むしろ、どこか驚いたような表情で、声のするほうをきょろきょろと仰ぎ見て・・・。

「あ・・・なんだ、パパ!?」。

これにはパパも苦笑いで「いま、一瞬パパのことが分からんかったと~?!」。言い当てられて、気まずそうに笑うばかりの龍亮くん。ママや妹もみな大笑いになって・・・。熾烈な争いのひととき、微笑ましい家族のワンシーンだった。

「ああ、そういえばそんなこともありましたねえ」と、孔明。

「あいつ、あのときなんで俺が分からんかったのかな? まあ・・・どうせぼーっとしてたんでしょう」と、思い出して孔明は笑ったが、今年は早々から賞金ランクのトップを走り続けて賞金レースを引っ張ってきたパパ。あまりにもまぶしすぎて、いつも家で寛いでいるパパを“職場”で一瞬、見失った龍亮くんの気持ちが分かる気がする。

その後も、もつれにもつれて、いよいよ今季の最終戦まで引っ張った賞金レースも、「まだ実感がわかない」と翌日になっても、どこか夢見心地の孔明だったが、ライバルたちに口々に「賞金王にふさわしい」などと褒めそやされるうちに、これからますます自覚と風格が出てくるのだろう。

本人の意識はもちろんだが、周囲の目や評判に研かれて、次第に賞金王らしいオーラをまとっていくものなのだろうと思う。

アジアンツアーのタイランド選手権から帰って、ようやく孔明も冬休み。最終戦の後、慌ただしくタイに飛んだパパを、家族も首を長くして待っているだろう。

「オフはクラブを握らず完全オフにする」。正月は家族団らんと、趣味の釣り三昧で骨を休めて“エネチャージ”。クラブを竿に持ち替えしばし、じっくりと来季の策を練る孔明だ。

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