7位浮上の高山忠洋 ツアープロのクラブ調整の単位とは
GLAYの「誘惑」聞いてノリノリだった高山忠洋の修業時代
プロゴルファーのスイングと一般の人のスイングの違いは、数え上げれば山のようにあるが、見ている人に心地よい印象を与える部分では、リズム感の違いが大きいのではないだろうか。
トッププロたちのスイングには、テンポが速いとか遅いとか個人差はあっても、各自が固有のリズムを必ず持っているのが共通点だ。高山忠洋の話を聞いていると、そこに着目すれば、ゴルフの上達がもの凄く早くなると言っても過言ではないのではないかと思えて来る。
<< 下に続く >>
高校時代まで野球にどっぷり漬かっていた高山が、プロゴルファーを目指して本格的にゴルフに取り組み始めたのは卒業後。プロゴルファーとしては、いわゆるレイトビギナーである。しかし、研修生になって、たったの3年でQTのファイナルにまで進出して、出場順位72位でツアーデビューを果たした。その3年後には賞金ランキング54位で初シードを獲得。さらにその3年後に「東建ホームメイトカップ」でツアー初優勝。とんとん拍子である。
「音楽に合わせて練習をしていたんです」と高山は、まだ20歳前後だった研修生時代の練習方法を振り返る。聞いていたのは当時デビュー間もないロックバンド、GLAYの楽曲『誘惑』だったそうだ。
「アップテンポが合っているかなと。それに自分がノリノリになれて、ドライバーのキレとかもよくなって、飛ぶ感じがしましたよ」と高山。あれから20年が経ち、「今は年齢的にアップテンポにはついて行けないので、もっとスローな感じの音楽にしています。曲の題名はわからないんですけど、子供が聞いているNHKのみんなの歌とかですね」とテンポは年とともに変化はするものの、やはり音楽は大切だと高山は言う。
なぜ音楽が大切なのか。
「テンポとかリズムは自分で変えられるし、変わってしまう。でも、音楽ならリズムもテンポも変わりませんから」と言うのが音楽を大切にしている理由だ。プレッシャーがかかる場面では、プロでさえ、知らず知らずのうちに動きが速くなったり、遅くなったりする。
プレッシャーばかりではなく、人の話し声や、視界に入る何かの動きでも気持ちが乱れることもある。その結果、リズムとテンポが変化してミスが誘発されるケースは珍しくない。頭の中で決まった音楽が流れて入れば、気持ちの変化に左右されずに、リズムとテンポをキープしてプレーができるという訳だ。昨年シーズンの高山は、24試合に出場して、予選落ちはたったの1回。この安定ぶりもリズムとテンポ、音楽の賜物だろう。
ノリノリになれる一曲を頭に入れてコースに出れば、ショットはキレがよくなり、ミスも激減するのかも?