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かつての“酷評コース”が変身 馬場咲希は地元キャディと頂点に

◇女子アマチュア◇全米女子アマ 最終日(14日)◇チェンバーズベイGC(ワシントン州)◇6541yd(パー73)

1985年の服部道子以来、37年ぶりに誕生した日本人チャンピオンの快進撃の裏には、ローカルキャディのアシストがあった。ボウ・ブルシェートさんはチェンバーズベイで13年にわたるキャリアを持つベテラン。「サキには素晴らしい未来が広がっている」と絶賛した。

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馬場はジュニアゴルフ界でこれまで、多くの試合で父の哲也さんにバッグを預け、7月の「全米女子ジュニア」で初めてコース所属のキャディとコンビを組んだ。今回の大舞台も攻略の手がかりを経験豊富なプロから伝授。「楽しかった。もし、ボウさんじゃなかったら、(優勝は)無理だったと思う」と心から感謝した。

かつて採石場だったチェンバーズベイは「全米オープン」が開催された2015年当時、出場プロから酷評されたコースでもあった。激しすぎる傾斜に加え、季節外れの暑さと乾燥によりグリーンの芝が痛み、パットしたボールが激しく揺れていた。

ブルシェートさんによると、当地は2018年10月からコースを約半年にわたってクローズし、グリーンの芝を張り替えた。「フェスキュー芝とベント芝のミックスだったのが、今はポアナとベント。2つの芝が互いにうまく作用して、転がりがスムーズになった」という。

当時よりも青々とした芝の上で、2人は言葉の壁をボディランゲージで越えた。馬場はここ数カ月取り組んでいるオンライン英会話レッスンの効果も発揮し、簡単なやり取りは英語でコミュニケーションをとった一方で、繊細なパットのターゲットを決める際にはブルシェートさんがカップを見立てて手で輪を作り、「カップの内側、外側」といった狙いを打つ前に2人で確認した。

馬場のゴルフは175cmの長身から繰り出される270yd超の1Wショットが目立つが、同氏は17歳のアイアンショット、ショートゲームのうまさと、度胸の良さに驚いた。「練習ラウンドで彼女には正しい距離感があることを知った。パッティングは自信満々で、準決勝までに3パットが1回だけだった。彼女はどんなときも動揺しない。私のほうが緊張していたくらいで…」。序盤から優勢に進めた決勝戦は20ホール目から2ダウンされた直後から6連続アップの反撃。「連続ダウンで目覚めたね」と強さに思わずあきれ気味だった。

ブルシェートさんはチェンバーズベイに来る以前、カリフォルニア州モントレーで育った。サイプレスポイントをはじめ、ハウスキャディを務めた中には来年の「全米女子オープン」の会場、ペブルビーチGLもある。(ワシントン州ユニバーシティプレース/桂川洋一)

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