リディア・コーが3度目の年間女王に 古江彩佳25位 畑岡奈紗は「80」で失速
2022年 CMEグループ ツアー選手権
期間:11/17〜11/20 場所:ティブロンGC ゴールドコース
フィアンセの前で涙の頂点 リディア・コー「早く花嫁に」
◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 最終日(20日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)
涙の理由は年間最優秀選手でも、ベアトロフィー(シーズン平均ストローク1位)でも、ツアー史上最高の優勝賞金200万ドル(約2億7900万円)でもない。リディア・コー(ニュージーランド)は12月に結婚するフィアンセと勝利の瞬間を分かち合えたことが、何よりうれしかった。
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10月に韓国で「BMW女子選手権」を勝ったとき、最愛の人は会場に不在だった。「彼は私の人生で特別な人。私を笑顔にしてくれるし、『65』でプレーしようが、『79』を打とうが、変わらず私を愛してくれる」。2022年シーズンの頂点に立った瞬間から、次の幸せが待ちきれない。「しばらく休んで、早く花嫁になる準備がしたい」と笑った。
首位に並んで出たレオナ・マグワイア(アイルランド)との一騎打ちは、1番のパー5で先にボギーをたたく苦しい展開。後半14番(パー5)でも池につかまってスコアを落としたが、16番(パー3)からの2連続バーディで勝負を決めた。
原動力は、やはりフィアンセの存在。昨年、相手から自分が会場にいることでプレーに影響が出ることを心配していると伝えられたことがあった。「うまくいかなかったら、自分のせい。周りの誰のせいでもない。だから、彼の前で、彼のために勝ちたかった」。負けられない理由があった。
2014年に大会を制したときは眼鏡をかけた17歳だった。「今日みたいな雨の中だったら、一日中(眼鏡の)レンズの掃除が大変だったはず」と笑い、「コースの中でも外でも激しい浮き沈みを経験したことで『いい日もあれば悪い日もある』と思えるようになった。悪いショットも、当時よりすんなり受け止められるようになった」。天才少女として騒がれた日々、その後の低迷期も含めて全てを受け入れ、25歳でもう一度ピークを迎えようとしている。
ツアー優勝で1pt、メジャー優勝で2ptなどと設定されている殿堂入りのポイントも累計25ptとなり、条件となる27ptも目前だ。「もしそうなれば素晴らしいことだし、名誉だろうけど、来年の目標として一番大きなものではないのは確か」。円熟期ともいうべき今のプレーを続けていけば、あらゆるものは結果としてついてくると信じている。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)