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“世界への情報”を 笹生父子がジュニアイベントに込めた思い

2021年「全米女子オープン」で笹生優花が優勝した後、全米ゴルフ協会(USGA)からチャンピオンとしての規範が書かれたパンフレットが手渡された。その中のひとつにあったのが「ジュニアの手本になるアクションをしてほしい」。それならばと、笹生は自身初のジュニアイベントの開催を決めた。

小中学生39人を集めたイベントは10日(土)、埼玉県の飯能ゴルフクラブで行われた。「ゴルフの楽しさを知ってもらいたい」という主旨に加えて、イベントの大命題はもうひとつ。世界に挑戦するためのきっかけを与えられたらという思いがあった。

笹生がレッスン会や懇親会で現役プレーヤーとしての経験を伝える間、クラブハウスでは笹生の父・正和さんが保護者との交流会を実施。海外へのゴルフ留学や子どもたちのサポートの仕方について疑問に答えた。

「海外でチャレンジするにはどうしたらいいか、分からない人は多いはず」と正和さん。親子二人でフィリピンに渡ったジュニア時代、様々な方面から情報をかき集めながら海外を回って来た。エントリーできる試合を笹生が見つけてくると、知人やインターネットを通して詳細を調べ「1往復で何試合出られるか…」と予算とにらめっこしながら日程を組む日々。「親も学ばなければいけないことが多い。日本には“世界への情報”が少ないですし、自分たちの経験を伝えることで少しでも力になれば」と親子で参加できるイベントを実現させた。

若手の現役選手がジュニアイベントの場を設ける機会はまだそう多くない。正和さんは「今年からアマチュアのスポンサー規定も変わって、もっと可能性は広がりました。早いうちから経験と準備をすることで、日本のジュニアの間口が広がればいいと思っています」と、今後もこういった活動に力を入れていく方針だ。(編集部・谷口愛純)

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