初優勝に前進したローズ・チャン。早くも高いポテンシャルを示している(Elsa/Getty Images)

◇米国女子◇みずほ アメリカオープン 3日目(3日)◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6656yd（パー72）

鳴り物入りでプロの世界に飛び込んだローズ・チャンが、デビュー戦で3日目を終えて単独首位に立った。4位から6バーディ、ボギーなしの「66」をマークして通算11アンダー。ティが予選より前に出た後半16番では1オンに成功、2mのイーグルチャンスを外してバーディというスケールの大きさを見せつけた。

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前週（5月24日）20歳になったばかりの経歴はすさまじい。2020年の「全米女子アマチュア選手権」を制したチャンは21年に「全米女子ジュニア選手権」も優勝。メジャーでのローアマチュア経験のほか、「オーガスタナショナル女子アマチュア」には初回大会の2019年に最年少の15歳で出場、今年4月にタイトルを勝ち取った。

5月には「NCAA選手権」の個人戦を史上初めて2連覇した。スタンフォード大在学時の2年間で通算12勝はタイガー・ウッズをもしのぐ。20年9月から世界女子アマチュアランキングで史上最長の141週にわたって1位の座を守り続け、前月26日にプロ転向を表明した。推薦出場した今大会の会場にはさっそく契約スポンサーのひとつであるサングラスブランド「USWING（ユースイング）」がチャンのモデルを売り出している。

デビュー戦の会場にはさっそくチャン・モデルのサングラスが販売されている

今大会の初めは「予選を通過することが目標だった」と言う。ある意味で控えめな目標とは裏腹に、名だたる先輩プロと上位でプレーしたムービングデーは「予想通りになった」と豪語した。「風が少し強く、違う方向から吹いて難しくなった。予期していたことと違うものはなかったし、キャディと良いスコアを出そうと、自分たちの仕事をしたんです」

プロとして迎えた米女子ツアー初戦で優勝すれば史上8人目。2019年「全英女子オープン」を制した渋野日向子以来となる。同ツアーでのプロデビュー戦の優勝は1951年のビバリー・ハンソン以来、72年ぶりの快挙だ。「ドキドキしているけれど、コースにいるといつもすごく気持ちがいい。自分はゾーンに入れるし、『これは私が10数年やってきたスポーツのはず』と思うようにしています」。最終日最終組も楽しみで仕方がない。（ニュージャージー州ジャージーシティ／桂川洋一）