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笹生優花がジュニアイベント開催 メジャー制した22歳が伝えたいこと
海外メジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」を終えた翌週の17日(木)から2日間にわたって、笹生優花が茨城県の静ヒルズカントリークラブでジュニアイベントを開催した。2022年12月に続き2度目の主催イベントは、19人の小学生ゴルファーが参加。米女子ツアーのシーズン中ではあるが、「冬よりも夏休み期間中の方が参加者もやりやすいかなって。試合のパフォーマンスに近い状態で会えるのもいい」と一時帰国を決めてスケジュールを組んだ。
初日はドライバーとアプローチのクリニックを行った後、パー3ホールに移動して2021年「全米女子オープン」覇者よりもピンに近づけられるかニアピン対決を実施した。2日目のスケジュールには18ホールのストローク競技も組み込まれている。
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笹生はレッスン会を開くうえで「教えるというよりは楽しくできたら。試合でもどこにいても、楽しむことを忘れないでほしい」という考えを大事にする。もちろん、尋ねられれば培ってきた経験を惜しみなく伝えるし、海外メジャー制覇を支えた技も披露する。強調するのは、伝えたことが「“正解だ”と思ってほしくない」ということだ。
笹生がプロゴルファーを目指すきっかけになったのは、8歳のときに全米女子オープンでプレーするポーラ・クリーマーをテレビで見てから。「(プロに)なりたい」と強く惹かれた。そして、腕を磨くためにフィリピンに向かい、複数の国を渡り歩いて重ねた下積みが今の笹生を支えている。ただ、その道筋が「全員に一番良い道かは限らない」という。
「自分がやってきたこととして伝えはするけど、絶対にアメリカに行くべきとかではない」。ゴルフは個人スポーツなだけに、自ら考えて動く力がゴルフと人間性の成長にもつながるというのが、笹生の展開する持論だ。「考えるのも自分、やるのも自分ということを伝えたかった」
今季は「全米女子プロ」2位、「アムンディ エビアン選手権」3位を含め、団体戦を除く出場14試合で6度のトップ10入りをし、賞金ランキング7位、世界ランキング23位にいる。次週24日(木)開幕のカナダ開催「CP女子オープン」からツアーに戻り、「世界一」への目標に向けた転戦がまた始まる。
「ポーラだけではないけど、すごい選手は試合会場で会うと今でもオーラがあるのを感じる。そうなりたい? いや、自分はオーラがなくてもいいかな。(ジュニアから)遠い存在と感じられたくない」。夢を追い続け、ゴルフを通じたジュニアとの出会いも大切にしながら、一度きりの人生を全力で楽しんでいる22歳の生き様があった。(編集部・石井操)