西郷真央は最終ラウンドの出来に涙を流した

◇米国女子◇ファーヒルズ朴セリ選手権 最終日（24日）◇パロスバーデスGC (カリフォルニア州)◇6447yd（パー71）

まだルーキー、まだシーズン3試合目。今ある立場など関係なしに、西郷真央は負けて泣いた。「順位というよりは、自分が思ったショットで、思った結果が出せなかったのが悔しい」。ハンドタオルで目頭を何度押さえても、涙はあふれるばかりだった。

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3日目を終えて首位に3打差の6アンダー7位。最終組から3つ前の組でティオフし、出だし1番でボギーを叩いた。前日よりも強い、風速15mの突風が吹き荒れたコース。ウェッジでの2打目が「10ydくらい飛ばなかった」と球が上がり切る前に追い風で手前のバンカーに叩き落された。

グリーン奥のバンカーから“OK”に寄せてパーを拾った続く2番も、内心は動揺していた。右ラフからの2打目がフライヤー。「警戒していたのに、そうなった」。2打目を右手前のラフに外した5番で2つ目のボギー。距離の短いホールが続く序盤でスコアを伸ばし、中盤の難所を耐えるプランが早々に崩れ、「バーディパットを打てる状況になかったのがすごく悔しかった」とうつむいた。

不満の残るプレーが続いた

3バーディ、5ボギーの「73」で通算4アンダー。13位は今季のレギュラーツアーメンバー9人が出そろった日本勢でトップの出来でも、満足には程遠い。隣のジャスミン・スワンナプラ（タイ）、サラ・シュメルツェルはともに「70」をマーク。「本当にしんどい中で、同組の選手がパターやアプローチで“寄せワン”をして、獲れるところを獲っていって…自分が置いて行かれる感じが、すごくしんどかった。勉強になることがたくさん。スコアの差以上に、自分の技術もまだまだだと感じました」

グリーン上でも影響を受けるほどの強い風は未熟なポイントもつまびらかにしてくれた。後半16番（パー5）はミドルパットを沈めてバーディを決めたが、直前のチッピングが物足りない。「アプローチで下りのフックラインが『風でスライスする』というイメージはできていても、実際には（スライスを信じる）勇気が出ない。結果的にはバーディだったけれど…。簡単にバーディを獲れないのも今の実力かなと思う」と現在地を認識するには十分な18ホールだった。

泣きはらして、「少しずつステップアップしていきたい」と懸命に顔を上げた。スポット参戦していた昨年までとは違う。負けて向かう先は日本ではなく、今度はアリゾナ州。次戦「フォート選手権」（セヴィールG＆CC）がもう4日後にある。（カリフォルニア州パロスバーデス・エステーツ／桂川洋一）

2024年 ファーヒルズ朴セリ選手権 最終日ハイライト 西郷真央

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