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圧巻1オンの原点は13歳の悔し涙 笹生優花が岡本綾子の“予言”を現実に

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(2日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)

笹生優花の父・正和さんは、日本ツアーで優勝した時のテレビ解説を務めていた岡本綾子の言葉をはっきり覚えているという。「ドローとフェード、両方打てるようになったら、とんでもない選手になりますよ」――。レジェンドの“予言”は、史上最年少での「全米女子オープン」複数回優勝という快挙によって、まさに現実となった。

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笹生がフェードボールをしっかりゲームで使うようになったのは、米ツアーに本格参戦を始めてからのこと。2021年の「全米女子オープン」を制した時はドロー一辺倒だった。

実はゴルフを始めた時はフェードヒッター。ドローに傾倒したのは、憧れのロリー・マキロイ(北アイルランド)の影響…というわけではないそうだ。13歳の時に出場した「全米女子ジュニア」でアンドレア・リーに完敗。フィリピンでは飛距離で負け知らずだった笹生は、3歳上の相手に完膚なきまでアウトドライブされ、悔しくて泣いた。

「もっと飛ばせるようになりたい」。娘の懇願に父も覚悟を決め、厳しいトレーニングを課した。より飛距離を出せるようにと、球筋をフェードからドローに変えたのも、そのタイミングだった。

正和さんは、テレビで聞いた岡本の言葉を本人に伝えることはなかったと振り返る。「自分で気づいてやらないと、意味がないから」。そんな親心を知ってか知らずか、笹生は米国に来て自らフェードを磨くようになった。

サンデーバックナインのチャージの導火線となった12番(パー3)は、右ピンをフェードで攻めた。232ydのパー4だった16番も、3Wのフェードボールでグリーンに止めて1オンに成功。2パットのバーディにつなげた。「16番はレイアップするのも難しい。いいショットだったと思います」と胸を張る。

この日、最後まで優勝を争った相手はアンドレア・リー。親子二人三脚の努力によって紡いだ、出来過ぎたストーリーだ。(ペンシルベニア州ランカスター/亀山泰宏)

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