2026年 ウォルマート NW アーカンソー選手権

「もう無理、もう限界、モチベーションゼロ」だった西村優菜を救った許しと声

2026年 ウォルマート NW アーカンソー選手権 3日目 西村優菜
苦しかったシーズン…西村優菜は吹っ切れた気持ちで米女子ツアー初勝利を飾った

◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 最終日(27日)◇ピナクルCC (アーカンソー州)◇6438yd(パー71)

西村優菜のハートはこの夏にかけて境界線間際をさまよっていた。5月半ばまでに出場7試合で4試合予選落ち。同月末に68位で終えた「ショップライトLPGAクラシック」は直前まで「もう行かないでおこうと思っていたくらいだった」と明かす。厳しい精神状態はいまに始まったことではない。年末に予選会行きに追い込まれた昨季から続いていた。

予選カットラインに1打届かない試合が増え、メジャーのほか欧州やアジアシリーズなど参加人数が限られる大会から足が遠のいた。出場機会が減れば、おのずと職場確保のためのポイントを得るチャンスも少なくなる。「もう無理かもって何回も思った。いや、もう限界かもって。私はもともと、気合でゴルフするタイプだったんですけど、モチベーションがうまく保てなくて」。スポット参戦した日本女子ツアーでも上位争いができず、悩みは増える一方だった。

2026年 ウォルマート NW アーカンソー選手権 3日目 西村優菜
ウィニングパットに万感の思い

母・枝里子さん曰く、西村家の3きょうだい(姉と弟がいる)の中で、次女は几帳面で勝気な性格。「のんびりしている私たちとは全然違う」。ゴルフで言えば、西村自身「もともと『自分に厳しすぎるよ』と言われていた。なかなか自分を許せない」というパーソナリティは必ずしも良いとは言えないと分かってはいた。

少しでも前向きになれたのが、ことしの夏だったという。8月の「ポートランドクラシック」の直前に多くの人に意見を聞き、吹っ切れた。「ポートランドの前に“落ち切った”というか、なんかモチベーションもゼロくらいまでいっちゃって。『もう自分を苦しめずにゴルフをやろう』と思った」。同大会では予選落ち。心がないで成績が上向くことはなかったが、今大会で突然米女子ツアー初優勝を飾った要因をひとつ挙げるのであれば「応援」に尽きると西村は言う。

先週、日本での「住友生命レディス東海クラシック」で普段の米女子ツアーでは感じられないロープの外の熱気に改めて目を細めた。「ファンの方が結構来てくださることが、プレッシャーの時もあったんですけど、『3年、4年とダメなのに、こんなに応援してくれる人いるんだ』と思った。それがすごいエネルギーになった感じはありました」。積み重ねてきた技術と紆余曲折を経た精神状態が3日間大会で最高のマッチングを呼んだ。(アーカンソー州ロジャース/桂川洋一)

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