渋野日向子は“ゆなぱん”の米初Vに感銘「日本中に勇気を与える勝ち方。もちろん自分にも」
◇米国女子◇ロッテ選手権 事前(29日)◇ホアカレイCC(ハワイ州)◇6530yd(パー72)
少しややこしいライからアイアンでうまくグリーンをとらえても、着弾したボールを不満げに見つめていた。南国の海風をダイレクトに浴び、渋野日向子は開幕2日前に精力的に18ホールの練習ラウンドにいそしむ。少しばかり曇りがちな表情で。
前週「アーカンソー選手権」は「66」をマークし12位で滑り出した初日の後、スコアを伸ばせず67位に終わった。日米ツアーを通じて7月初旬の「アムンディ エビアン選手権」(16位)以来、6試合ぶりに予選を通過しながら週末に低迷。「ショットは良くなってきたんですけど、パッティングが入らないのが続いて全体的にあまり良くなくなった感じで」。一つのミスが負の連鎖を呼び、上位で戦えなかったことが悔しい。
「気持ちの問題ですかね…」と悩ましい。年間ポイントレース(レース・トゥ・CMEグローブ)は来季の出場資格も気になる95位。糸口を見つけようと必死になるあまり、「完ぺきを求めすぎちゃうのもあります。許容範囲が狭すぎる。それを解消するのも難しい。全部がうまくいくことは絶対にないと分かってはいるんですけど」と、自分を許せなく思う時間が長い。
その点で言っても、アーカンソー選手権で米女子ツアー初優勝を飾った西村優菜の心境からは学ぶべきところも多い。ずっと同じ悩みを抱えてきた後輩は、米国からの撤退すら頭をよぎったところで吹っ切れ、「自分を許した」ことで夢のひとつをかなえた。
「すごかった。“びっくり”という言い方はおかしくて、その一言でまとめるのは失礼」だと渋野は思う。「苦しいのも知っていた。去年、一緒にQTにも行ったし、(マネジメント)事務所も同じ」と、西村はなにかと気にかけている選手のひとり。優勝の瞬間は仲間たちと一目散にグリーンに上がりウォーターシャワーで祝福した。「“ゆなぱん”(西村の愛称)の存在は日本でも世界でも素晴らしい。いろんな選手、日本中に勇気を与える勝ち方だった。もちろん自分自身にとっても本当に大きな出来事」。何度打たれても、リングに立ち続けた姿に頭が下がる思いがする。
心を仕切り直す会場は、2022年にキム・ヒョージュ(韓国)と優勝争いを演じた(2位)ホアカレイCC。「ここ何年かは予選落ちが続いてすごく悔しい。でも、最近では一番良い状態で来ていると思っている。本当に気持ち次第。自信を持ってやるしかない」と、ゆっくりうなずいた。(ハワイ州エワビーチ/桂川洋一)