涙はなくとも吉田優利の目に染みたシャンパン 日本の仲間に祝福された「一生に残る瞬間」
◇米国女子◇BMW女子選手権 最終日(25日)◇パインビーチGL(韓国)◇6784yd(パー72)
日本の仲間が待っていてくれたことが、吉田優利は何よりもうれしかった。1組後ろの最終組がプレーを終え、初優勝が決まった吉報が待機していたクラブハウスに届いた。勝みなみ、原英莉花、畑岡奈紗、竹田麗央に岩井明愛・岩井千怜姉妹――。雨の中で18ホールを戦い終えたにもかかわらず、仲間たちはその瞬間を見届けようと残っていた。
「遅くまで待っていてもらってすみません」「ありがとうございます」。祝福のハグを受けながら、26歳は何度も笑顔で感謝を伝えた。自分の優勝を喜んでもらえたこと以上に、長い一日を終えた仲間たちが、自分のために残ってくれた。その思いが胸に染みた。
チャンピオンとして18番グリーンへと舞い戻ると、今度は恒例のシャンパンファイトが待っていた。実は「シャンパンより、水多めで…」とこっそりリクエストしていたという。だが、そんな願いもむなしく、勝から豪快に顔へ高級シャンパンを浴びせられた。「誰かと思ったらみなみさんですよね!」。笑顔で“クレーム”を入れながらも、大きなボトルを受け取ると、両手に持って豪快にあおった。「うれしいお酒でした」。待ち焦がれた初勝利の味は、格別だった。
「やっぱりうれしいです。こっちに来て頑張っているというのは、覚悟が違うと思っている。みんな色々抱えている中で一緒にプレーして、優勝を見届けてくれるというのは、一生に残るあの瞬間だったなと思います」
2023年に国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」など日本ツアー3勝を挙げ、同年の最終予選会を経て2024年から米ツアーに本格参戦。しかし、海を渡ってからは、苦しい時間も過ごした。1年目は再び最終予選会に回る悔しさを味わった。それでも、世界最高峰のツアーで戦うことをあきらめなかった。
同学年の古江彩佳は24年にメジャー「エビアン選手権」を制し、西村優菜もことし9月の「NW アーカンソー選手権」でツアー初勝利を挙げた。仲間たちの勝利を祝い、自身もその輪に加わってきた吉田に、やっと訪れた待望の瞬間だった。