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2015年 全米女子オープン
期間:07/09〜07/12 場所:ランカスターCC(ペンシルバニア州)

梅ちゃんリポート(6)世界の頂点を目指して/全米女子オープン

鈴木愛キャディ/梅原敦

最終順位は4オーバーの32位タイ。鈴木愛選手の今年の「全米女子オープン」が終わりました。4番でバーディが先行する最高の展開だったけど、中盤折り返しの8、9、10番の連続ボギーが結果的に致命傷となりましたね…。

7番の1mちょっとのバーディパットが全てだったかな。あれが入っていれば、その後の流れはガラッと変わっていた。でも、初日からあれだけ完璧なゴルフを続けてきた鈴木選手が崩れたんです。これが「全米女子オープン」なんですよ。ちょっとのミスや僅かな動揺は一切通用しない。

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あれだけ綺麗に見えていたコースが今日はまるで別の顔に見えましたからね。悔しさももちろんあるけど、それよりもやっぱりここは楽しかった。キャディをやっている以上は、常に目標は「全米(女子)オープン」なんです。ここで最高のマネージメントができるキャディになるために、日々勉強しています。今回も、自分なんかよりさらにさらに視野の広いキャディをたくさん目の当たりにしました。

彼らは1つのホールを攻める上で、僕には絶対に考えつかないようなライン取りをしてきた。結果それが、誰がどう見ても最良の選択なんです。ここにはやっぱりキャディもプロ中のプロが集まっています。自分の能力なんてまだまだそいつらの足元にもおよばない。また日本に帰って勉強ですね。

日本のコースセッティングでは、ここまで多様な攻め方は必要とされないんだけど、それだけにミスなんて絶対に許されないんです。選手もそうかもしれないけど、キャディだって日本で完璧にできなきゃここでは絶対に通用しませんからね。やはりここは全てにおいて世界最高峰の舞台なんですよ。

鈴木選手はこの4日間でたくさんのことを感じ、そして吸収したんじゃないでしょうか。鈴木選手のおかげでほんの一瞬だけど、世界の頂点が見えましたよ。それは僕が今までに見たことのない景色だったな。

大山選手や葭葉選手の活躍もそうですが、今の日本の女子ツアーのレベルの高さを象徴するような試合となりましたね。近い将来、必ず日本人がこの「全米女子オープン」を制する日が来るでしょう。その横に自分がいることを夢見て…。

皆様、最後まで読んで下さりありがとうございました。少しは現場の熱が伝わりましたでしょうか。この経験を生かしてまた日本で一生懸命頑張ります。そしてまた、この場所に連れてきてもらえるキャディになりたいですね。1週間、応援本当にありがとうございました!

■ 梅原敦(うめはら・あつし)

1974年4月5日生まれ。41歳。京都府出身で学生時代は野球少年としてならし、専門学校卒業後に兵庫県内のゴルフ場に就職する。98年から2013年末まで、15年間にわたり藤田寛之の専属キャディとして活躍し、14年からはフリーに転身。男女ツアーを通じ、さまざまな選手のキャディとして選手をサポートし続けている。愛称は「梅ちゃん」。今年の全米女子オープンでは、鈴木愛選手のバッグを担ぐ。

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