「バトンを引き継ぐ」畑岡奈紗が藍さん最後の優勝大会で悲願
2018年 ウォルマート NW アーカンソー選手権 by P&G
期間:06/22〜06/24 場所:ピナクルCC(アーカンソー州)
転戦支える母の存在 娘・畑岡奈紗との二人三脚
◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 by P&G 最終日(24日)◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6331yd(パー71)
畑岡奈紗の米ツアー初優勝をロープ外から見守った母・博美さん(48)は「本当に優勝したのかなって。信じられないですね」と感慨深げに話した。
<< 下に続く >>
試合後、畑岡と18番グリーンで抱き合うと「お疲れさま」と優しくねぎらった。最終的に後続に6打差をつける快進撃にも「本当にドキドキでした。今年はちょっと良い成績を残せていたけど、そんなに甘くないなって思っていたから。まさかこんなに早く優勝できるなんて」と安堵の表情を浮かべた。
参戦1年目の昨季は帯同せず、単身米国に乗り込んだ畑岡を日本から見守った。当時18歳の畑岡は6月から7月にかけ7戦連続で予選落ち。不慣れな転戦やはけ口のないホテル生活に苦悩した。家族に「もう日本に帰りたい…」と漏らし、号泣しながら電話をかけてきたこともあった。
「いろんなことを考えていた。人が行くってことはその分経費がかかったりする。ただ(畑岡は両親らと)話したいのに話せないことが続いた。そこじゃないなって思った」と博美さん。仕事を辞め、4月から畑岡に同行して食事面でもサポートしてきた。
異国での生活は不便なことも多く、今季はキッチン付きのゲストハウスを借りるが、「当たり外れがあるんです」と苦笑い。最近は、娘のために海外での運転にもチャレンジしている。
ツアーは小さな町でも開催される。日本食のスーパーマーケットが少ない地域があり、「食のレパートリーは少なくて、単純なものばっかりになっちゃうんだけど。いろいろ変えながらね」と工夫を凝らす。前日は畑岡の大好物のカレーライスとから揚げが食卓に並んだ。首位タイで迎えた最終日の朝は「変に意識をさせたくない。本人が一番優勝したいに決まっているから」と普段通りに送り出した。
悲願を達成した畑岡は「わたしの好きな美味しいものを作ってくれる。今年はお母さんが来てくれていることが一番大きいです。家族のサポートがなかったら、ここまで来られなかったと思う」と感謝を伝えた。(アーカンソー州ロジャース/林洋平)