ハットンが逃げ切りで米ツアー初勝利 松山英樹は56位
2020年 アーノルド・パーマー招待byマスターカード
期間:03/05〜03/08 場所:ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)
「勝つことはどこでも難しい」ハットンがイングランド出身選手初の大会制覇
◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 最終日(8日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7454yd(パー72)
優勝スコア通算4アンダーは、ベイヒルクラブに会場が移った1979年以降2番目のハイスコアだった(83年大会の1アンダーに次ぐ)。3日目に比べて風がわずかに弱まったとはいえ、グリーンは硬直したまま。ティレル・ハットン(イングランド)は首位から「74」とスコアを落としながら、終盤にパーを並べて逃げ切った。決勝2ラウンドでいずれもオーバーパーだった勝者は2006年の「全米オープン」(ジェフ・オギルビー)以来となった。
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ティショットを左サイドの池に落とした11番、ダブルボギーをたたいて戦況は混沌とした。ハットンは直前、グリーン周りでクラブをショットガンに見立て、池に向かって撃つジェスチャー。リードを失いながら「よくあることだ。少しイライラしたけど、頭を整理することができた」と改めてゲームに集中するきっかけになった。後続が崩れていくのをしり目に、「メジャー並みのセッティング」で以降はパーをつないだ。
欧州ツアーで4勝を挙げている28歳は、同下部ツアー出身のたたき上げ。20代前半には海を渡り、ここオーランドでルームメイトたちと共同生活をしながらミニツアーを戦った時期もあった。「自分を信じなければチャンスはない。当時の目標は欧州ツアーで、そしていつかPGAツアーでプレーすることだった」
同じフロリダで行われた前週の「ザ・ホンダクラシック」。欧州ツアー5勝のトミー・フリートウッド(イングランド)が惜敗した際、テレビ解説を務めていた1993年の「全米プロ」王者ポール・エイジンガーが「米ツアーでこそ勝たなくてはいけない。それをトミーも分かっていて重圧になっている」と発言。これに対し、イアン・ポールター、リー・ウェストウッド(ともにイングランド)が「欧州を軽視している」と反発した。
「どのツアーでも勝つことは究極的に難しい。僕たちはみんな、毎週勝とうとしている。ほとんどのケースでそうはいかないけれど、自分の道を歩まなければ、勝つことにはたどり着かない。今週は僕だったことに感謝したい」とハットン。アーノルド・パーマーが残した大会でイングランド勢が勝ったのは初めて。そして2016年大会から5年連続で外国人選手が優勝した。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)