ノーマン、スピース…マスターズ「悲劇」のヒーロー列伝
2020年 マスターズ
期間:11/12〜11/15 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
独走DJを追う世界選抜トリオ 静寂のオーガスタに“アウェー感”なし
◇海外メジャー◇マスターズ 3日目(14日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)
トップを快走する世界ランキング1位ダスティン・ジョンソンと4打差の2位につけているのはイム・ソンジェ(韓国)、キャメロン・スミス(オーストラリア)、アブラム・アンセル(メキシコ)の3人。いずれも昨年12月の「プレジデンツカップ」で米国選抜と対戦した世界選抜のメンバーだ。
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イムは9日(月)の練習ラウンドで、初めてオーガスタに足を踏み入れた。それでも「ずっとテレビで見て育ってきたからなのか、慣れているような気がする。ティイングエリアからどこに打っていけばいいか、どこに打ってはいけないか視認できるから、僕だけじゃなく韓国人選手には合っているコースだと思う」と話す。
大先輩にも背中を押された。2004年大会で3位に入ったチェ・キョンジュから助言を受け、ショットメーカーとしてのプレースタイルが「マスターズ」に向いているとのお墨付きも得ていたという。
スミスにとっては、母国の英雄グレッグ・ノーマンと因縁のある大会。「父はいまでもよく言うんだ。『グレッグが負けたのが悔しくて、仕事が手につかなかった』って」。2位に6打差をつけて最終日を迎えながら大逆転負けを喫した1996年は、まだ2歳だった。当時の記憶はないが、無念の思いを受け継ぐように育ってきた。
アンセルは「DJ(ジョンソン)がきょうのようなプレーをすれば、彼を捕まえるのは不可能だよ」と言いつつ、「やるべきことは、とてもシンプル。バーディをたくさん獲ればいい。簡単ではないけど、スペシャルなプレーが必要だ」と力を込める。
パトロン不在で静寂のオーガスタには、ホームもアウェーも関係ない。イムやアンセル、セバスチャン・ムニョス(コロンビア)ら上位には初出場の選手が名前を連ね、国際色も豊か。スミスは「4打のリードがあれば、誰だって勝てると期待する。あすはみんな攻めまくるだろう」と追われる側の重圧にも触れた。異例ずくめの大会で番狂わせを起こせるか。