松山英樹が昇格大会で1カ月ぶり出場 第1子誕生控えるシェフラー不在
2024年 ウェルズファーゴ選手権
期間:05/09〜05/12 場所:クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)
“ビトゥイーン”に苦しんだマスターズ 松山英樹は仕切り直しの復帰戦
◇米国男子◇ウェルズファーゴ選手権 事前情報(7日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7558yd(パー71)
4月の「マスターズ」以来、約1カ月ぶりにPGAツアーの舞台に戻ってきた松山英樹。同大会はここ数年ではいつになく調子の上がった状態で迎えただけに、38位の結果は不本意だったに違いない。「いい状態だったかもしれないですけど、実は不安の方が大きかったです」と本音で振り返る。本人の言う不安とは、「アイアンの距離感がちゃんと戻っていなかった」ことに尽きる。
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「今年に入って飛距離は少しずつ戻ってきたのは実感していましたが、やはりコントロールする際の距離感が戻っていなかった。『この距離を打ちたい』という時、特にビトウィーン(番手間の距離)に打って落とすことが全くできていませんでした。緩めすぎちゃったり、強く入っちゃったりが多々あった」。自信を持ってビトウィーンの距離が打てなければ優勝争いに絡めないのは、一度グリーンジャケットを着た男だからよく分かるのだろう。
「試合期間中にどれだけアジャストできるかなと思って戦っていましたけど、最後までできませんでした」
悔しさをかみ締め一時帰国した松山はその後、日本で過ごし、体のメンテナンスに努めた。「いろんなところを治療してきました。思ったほど体が回復しなかったので長引いてしまって、もうちょっと早く練習できたら良かったんですけどね」と課題に取り組む時間も少なかったという。「(ショットも)不安定な状況ですけど、試合をやりながら良くなっていけばって感じです」
2019年以来5年ぶりの出場となる今大会が後半戦に向けた仕切り直し。「(昇格大会は)予選落ちもないのでゆっくりできたらいいなと。上位にも行きたいし、優勝もしたいですけど、まずは自分の状態をしっかりと上げて頑張りたいなって思います」
会場のクエイルホロークラブは、17年に惜敗した「全米プロ」、22年「プレジデンツカップ」など思い出深い地でもあるが、「印象深いですけど、いい成績を出しているのは全米プロだけですし、(ウェルズファーゴは)トップ10も入ったことないんですよね。全米プロも時期が8月でしたし、プレジデンツカップも9月でしたから。この時期(5月)ではうまくプレーできていないんで、どうにかできるようにしたい」と期待を込めて話した。
この日アウトの9ホールで練習ラウンドをした松山は、「ショットに関しては止まりそうだなという感じでしたが、逆に100yd以内のウェッジショットが全然止まらない。そこらへんがすごく難しい」と硬く締まったグリーンに警戒感を強めた。
「ストロークの矯正的な意味で」と長めのスラントネックの新しいスコッティキャメロンのパターをテスト。重さの違う1W、テーラーメイド Qi10の5Wを試すなど、クラブも改めて調整している様子。初日は午後0時28分(日本時間10日午前1時28分)、アウトコースからティオフする。(ノースカロライナ州シャーロット/服部謙二郎)