移転から3年…変わり果てた“元”世界ゴルフ殿堂のいま
ノースカロライナ州パインハーストからフロリダ州セントオーガスティンに移転し、1998年の式典で大々的にリニューアルオープンした「世界ゴルフ殿堂」は、25年後の2023年に再びパインハーストへと戻った。
樋口久子、青木功、岡本綾子、尾崎将司の4人の日本人レジェンドが殿堂入りしたのもセントオーガスティンの地。中央にそびえる塔が象徴的な建物や、殿堂入りした人物名が刻まれた石板が並ぶウォーク・オブ・チャンピオンズという遊歩道など、多くの関連施設があった。移転後の施設はいま、どうなっているのだろうか。彼の地を訪れてみた。
“元”世界ゴルフ殿堂は、「プレーヤーズ選手権」を開催しているTPCソーグラスやPGAツアーの本部があるポンテベドラビーチから車で約40分の場所にある。最寄りの町・セントオーガスティンは現存する全米最古の街としての歴史があり、観光地として人気。そんな立地的要素もあり候補地となった経緯がある。
PGAツアーの不動産部門が主導して土地開発を行い、ジーン・サラゼンとサム・スニードの2人が設計した「スラマー&スクワイアー」というゴルフコースも併設された(98年当時は2人とも存命だった)。プレーヤーズ選手権の開幕前日に現地を訪れてみると、変わり果てた現在の姿に寂しさを隠せなかった。
中央の塔の上部にある「World Golf Hall of Fame(世界ゴルフ殿堂)」の看板はそのまま残されているものの、幕が破れて風に吹かれるままに揺れている。受付エントランスは施錠されて中には入れない。エントランスのサインも剥がされている。窓から中をのぞき込んでみると、施設内はもぬけの殻。残されたジャック・ニクラスの写真が悲しさを際立たせる。
ウォーク・オブ・チャンピオンズの周りにはショップやレストランなどの建物があるが、空き店舗が多い。バレー教室になっている店舗もあった。ただし、併設のルネッサンスホテルやコンド(住宅用マンション)の販売、ゴルフコースの営業は順調のようだ。プロショップで働くダニーロ・ソーサさんが言う。
「ゴルフ殿堂は閉館しましたが、ゴルフコースの営業にあまり影響は出ておらず、連日多くのゴルファーがいらっしゃってくれています。私が聞いた話によると、ゴルフ殿堂の施設は、再利用される場合も何かしらゴルフに関連した用途に限るという契約条項があるようで、なかなか購入者が現れないとか。私は、タイガー(・ウッズ)がやっているTGLがここでプレーしたら良いのでは?と思ってますよ」
世界ゴルフ殿堂自体の運営は芳しくなかったものの、98年当時は森と道路しかなかった周辺地域は、今では住宅や店舗が激増して発展している。そんな地域の中心になる元ゴルフ殿堂の施設。読者の皆さん、良い再利用の案はありますか?(JJ田辺カメラマン)