人気者と競り合い今季3勝目 ウィンダム・クラーク「僕はずっとアンダードッグ(笑)」
◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権最終日(23日)◇ベルリーブCC (ミズーリ州)◇7448yd(パー70)
最終盤で、勝負強さを発揮した。ウィンダム・クラークは最終18番で、優勝を決める6mのバーディパットをねじ込むと右手を突き上げた。これで3連続バーディ締め。5打差の独走態勢で迎えながら、一時はリードを失う波乱の最終日を最高のフィナーレで飾った。「優勝するのって、本当に難しいんだよ」。心の底からもれた言葉が、ツアートップ50が集う舞台での優勝争いのし烈さを物語った。
出だし1番でボギーをたたくと、6番と10番でもスコアを落として後退。2人一組の最終組でプレーした人気者、世界ランキング2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)に並ばれた。ギャラリーからの声援はマキロイに向けられるものが多く、「みんなロリーに勝ってほしかった。彼に賭けていた人が多かったんじゃないかな。配当が良かっただろうからね」。そう笑って見せた。
それでも、6月「全米オープン」(ニューヨーク州シネコックヒルズGC)でニューヨーカーの強烈なヤジを浴びながら、世界ランク1位のスコッティ・シェフラーに競り勝った32歳は、むしろその状況を楽しんだ。「そんな中でも、僕にも声援を送ってくれた。受け入れて楽しんだよ。これまでの優勝でも、僕はずっとアンダードッグ的な立場だったからね」。逆境を力に変える精神的な成熟が、キャリア最高となるシーズン3勝目を引き寄せた。
今季は5月の「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」でツアー4勝目を挙げ、全米オープンで大会2勝目。そして今回、プレーオフシリーズ初となるタイトルを手にした。この勝利でPGAツアーの年間最優秀選手賞レースにふたたび名乗りを上げ、イリノイ州メダイナCCで開催される「プレジデンツカップ」の米国代表チーム選出も決めた。
「もしプレジデンツカップでアメリカ代表の僕が応援してもらえなかったら…。もうメキシコにでも引っ越そうかな(笑)」。本気とも冗談ともつかない言葉で笑わせたクラーク。アンダードッグの立場すら楽しめる強さが、最高のシーズンをさらに輝かせる。 (ミズーリ州セントルイス/中村文香)