世界最高のパット巧者は誰だ 松山英樹、金谷拓実のグリーン上の強みとは
PGAツアー(米ツアー)は前週のプレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」で年間王者が決まり、シーズンはひと区切りを迎えた。来季シード争いがメインとなる2週後からのフェデックスカップ・フォール(秋季シリーズ)を前に、世界最高峰の舞台をスタッツで振り返る。第3回はスコアを大きく左右する「パッティング」に目を向ける。
今季ここまで37試合を終え、パーオンしたホールでの平均パット数はツアー全体で「1.760」。記録の残る1987年以降では最少水準にある。
その中で先頭を走るのが6月「全米オープン」、8月のプレーオフ第2戦「BMW選手権」などシーズン自己最多3勝を挙げたウィンダム・クラーク。同部門を「1.690」でけん引するほか、パーオンホールで1パットに仕留めた割合で1位(44.73%)、パーオン後にバーディ以上へつなげた割合も1位(36.76%)と、チャンスを決め切る力が数字から読み取れる。
平均パット数「1.695」でクラークに肉薄するのが、2年ぶり2度目の年間王者に輝いたスコッティ・シェフラーだ。パーオンしたホールをバーディ以上で上がる割合は36.27%で2位。さらに25フィート(約7.6m)を超えるロングパットの成功率は9.46%で1位に立つ。ツアー屈指のショット力が武器の世界ランク1位はグリーン上にも隙がない。
3番手につけるのが「1.700」のジェイコブ・ブリッジマン。2024年からツアーに本格参戦した26歳は2月のシグニチャーイベント「ザ・ジェネシス招待」でツアー初優勝を飾り、ここまで6度のトップ10入り。年間ポイントランキング(フェデックスカップ)は自己最高の4位タイまで躍進している。
距離別のパット成功率と25フィート超からの3パット回避率を組み合わせた『トータルパッティング』は「37.3」で1位。フィールドに対してパッティングがスコアへどれだけ貢献したかを測る『ストロークゲインド(SG)・パッティング』でも「+0.684」でトップに立つ。平均飛距離(306.1yd)、パーオン率(66.30%)いずれもツアー平均を下回るが、それを補うグリーン上でのパフォーマンスが好成績を支えている。
日本勢では松山英樹が「1.743」でツアー平均を上回っており、1ラウンドの総パット数(28.42/26位)、1パット率(42.15%/27位)と上位につけている。ツアー下位だったSG・パッティングは2019-20年シーズンから上向き、「-0.013」で86位につける。
距離別でみると、25フィート超のロングパット成功率は7.19%で21位と上位の一方で、10~15フィート(約3.0~4.6m)は29.55%で107位にとどまっている。ミドルレンジへの対応力を上げれば、持ち味のショット力をさらにスコアへ還元できそうだ。
SG:パッティング「+0.338」で日本勢最上位(29位)につける金谷拓実にもグリーン周りの強さが見える。パーオンできなかったホールをパー以上でしのぐ『スクランブリング』は8位、トータルパッティングも「72.5」で10位と世界の猛者に引けを取らない。
一方、パーオン率(63.40%/137位)などアプローチ面で苦戦を強いられている。日本ツアーで発揮してきたショットのポテンシャルが米国のコースに順応すれば、おのずと上位進出も見えてくる。