「飛ばないボール問題」の余波か 4年ごとのルール改定が1年延期
ゴルフルールを統括するR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)は、次回のルール改定を2028年1月に行うと公表している。これまでルール改定は2016年1月、19年1月、23年1月と3年もしくは4年の周期で行われてきたが、27年1月の改定は実施されず、28年1月へ延期されることになった。これにより、23年1月施行の現行ルールは27年12月31日まで継続して適用される。
改定まで5年の間隔が空く理由について公式な説明はないが、ルール研究家の小山混氏は「飛ばないボールのルール改定が少なからず影響しているのでは」と推察する。
ゴルファーの飛距離が伸び続ける中、ルールを統括する両団体はいわゆる「飛ばないボール」に関する新たな適合テスト基準を発表していた。「ヘッドスピード125マイル毎時(約55.88m/s)、ボール初速183マイル毎時(約81.81m/s)、スピン量2220rpm、打ち出し角11度」という条件下で、飛距離の上限を317ydに設定する内容だ。
小山氏は「長いゴルフの歴史で、飛距離向上を目指した技術革新は数多くありましたが、ボールやクラブの飛距離性能を抑制するこれほど大きな改革(改悪?)は前例がないのではないでしょうか。その準備期間も含めて、今回の『1年延期』につながったと考えています」と話す。
「マスターズの舞台であるオーガスタナショナルや英国のリンクスコースのように、距離と戦略性を兼ね備えた名門コースでさえ、度重なるゴルフコース延長には物理的な限界が見え始めています。そのためR&AとUSGAは“飛ばないボール” の基準づくりを進めています。飛ばし屋であれば13~15yd程度の飛距離減少が見込まれるだけに、制度設計の最終調整が続いているのではないでしょうか」と背景を説明する。
実際に見直し作業は続いている。当初は2028年にプロツアーやトップアマチュア競技で先行導入し、30年からすべてのゴルファーへ適用する方針だった。しかしメーカー側などとの協議を経て、今年3月には30年から一律導入する方針へ変更された。
なお、2028年1月に施行予定の新ルールの詳細は、現時点では発表されていない。(編集部/服部謙二郎)