「自分のボールは使わないと決めていた」 松山英樹は黒子に徹し2連勝
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇ザ・プレジデンツカップ 2日目(25日)◇メダイナCC(イリノイ州)◇7548yd(パー70)
溜まりに溜まったフラストレーションはフェアウェイの上で唸り声になった。第1打、第3打と自分のミスが相次ぎ、一歩後退して迎えた続く11番。松山英樹は左ラフからのセカンドショットをグリーン右手前にこぼすなり、歩きながら「ああ!」と吐き出した。イム・ソンジェ(韓国)のアプローチの後、2m強の下りのパーパットがカップを逸れる。連続ダウンで1UPに迫られ、ホームの米国ファンから拍手喝さいを浴びた。
1つのボールを交互に打ち合うフォアサムのダブルスマッチプレー。9番終了時点で3UPとしていたリードがみるみるうちに減った。悪い流れを断ち切りたい場面。松山は持ち前の窮地での強さを見せる。次の12番、1Wでクリーク横のフェアウェイをきっちりとらえると、相手のジェイコブ・ブリッジマンがチャンスを外した直後に下りの6mを沈めてバーディ。「大きかった。良かった」と再びリードを広げた。
15番でも相手が2打目でピンそば1mのチャンスを作った後、残り106ydから2mにつけて寄せ付けない。アップドーミーホールとなった16番(パー3)、6mのパーパットを沈めてガッツポーズ。「(両チームのパットの)距離的に取られるか、次のホールに行くかという、引き分けはあまり考えられない状況だった。『池に入ってもいい』と思って(強めに)打ちました」という読み通り、初出場のブリッジマンが2mを外して3&2で決着した。
前日は久常涼と28年ぶりに日本人ペアを組み3&1で白星発進。そして、前回2024年に結成した日韓デュオで連勝した。松山は「やりやすいのもあるし、お互いをリスペクトできているのが大きい」とイムとのコンビネーションにうなずく半面、「相変わらず僕のゴルフの状態は悪い。引き立て役として頑張ってよかった」と自身の調子を嘆く。
2連勝を「自分の力ではない。ソンジェとツネポン(久常)の力。サポートに徹した」と振り返る言葉は戦い方にも表れている。この日のフォアサムではイムが普段から使用するタイトリスト製のボールでプレー。「自分のは使わないと決めていました、合わせればいいと」。相棒たちが可能な限り意のままにゴルフができることを望む。
2日間10マッチを終え、世界選抜は4ポイントリードした。丸山茂樹と尾崎直道が出場し、過去15回で唯一勝った1998年以来、28年ぶりのタイトル獲得に前進。すでに世界選抜のレジェンド級の存在になった松山にとって初めての快挙が近づいた。(イリノイ州メダイナ/桂川洋一)