出番のなかった金曜日…久常涼は何をしてた? 松山英樹との初タッグで再確認したこと
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇ザ・プレジデンツカップ 2日目(25日)◇メダイナCC(イリノイ州)◇7548yd(パー70)
「僕が来た途端に…」とつぶやき、ばつが悪そうな表情でロープサイドを歩く。松山英樹とイム・ソンジェ(韓国)がリードを1UPに縮められた11番。立て続けに2ホールを落とす直前に、世界選抜ペアに同行し始めた久常涼は声を潜めていた。
なんだか肩身が狭いような空気は、やっぱり大先輩が吹き飛ばしてくれた。続く12番、松山が6mのバーディパットを沈めて再び2UP。静まり返る米国ファンを背にして、大会初出場の久常はガッツポーズを繰り出した。
初日にフォアボール(各選手が自分のボールをプレーしペアで良い方のスコアを採用)のダブルスで松山とコンビを組み、米国選抜のザンダー・シャウフェレとキャメロン・ヤングを3&1で下した。フォアサム(ペアで1つのボールを交互に打ち合う形式)5マッチが行われたこの日は出番がなかった。とはいえ対抗戦は毎日、団体行動。午前中にダウンタウンのホテルからチームバスに乗り込み、一緒にコース入りした。
その後はドライビングレンジやパッティンググリーンで、スタート前の出場選手たちと並んで練習。前日と比べて「こんなに気楽でいいのか…」と思いつつ、「あしたは自分の番が回ってくるはず」と週末のプレーを想像すれば気持ちは引き締まる。練習場の脇には作戦会議や休憩中の時間を過ごす大型テントがチームごとに建てられ、中には試合の様子を伝えるモニターやリラックススペースが設けられている。食事スペースには専属シェフもいて、ルーキーはこの日も「パスタがすごくおいしい」と舌鼓を打った。
各マッチの様子を画面で眺めてから、後半に差し掛かった出場選手たちの応援に駆け付けた。この日のマッチから漏れたことに対しては納得している。「きのうのプレーの通り、僕が出られるのは松山さんという存在がいるからこそ」。難しいフォアサムでの松山とイムとの相性の良さは前回2024年大会で証明されており、今回はまだ割って入る力はないと自覚。「きのう一緒に回った3人と比べると、僕だけ球筋が変」と差も感じた。
丸山茂樹と尾崎直道がペアを組んだ1998年大会以来、28年ぶりの日本人ペア結成で改めて先輩の強さの源を知った思いがする。序盤にペースを築いたのは自分だったが、「松山さんが流れを引き渡さなかった。ずっとプレッシャーを与え続けていた」と振り返る。6番(パー5)の3打目には思わず感嘆。100ydほどからの3打目を米国の2人がピンそば2m以内をとらえた後、松山はさらに内側にピタリ。「ああいうところが本当に超一流。2人を背負って、サラッと」。この日の15番ではジェイコブ・ブリッジマンがピンそば1mにつけた直後にすぐさまチャンスメーク。「世界一と言っていいレベル」と満面の笑みを浮かべ、イムがバーディで続くと「ナイス!!」と、ひとり大声を張り上げた。
あす3日目の午前は再び松山とフォアボールを戦う。相手は世界ランク1位のスコッティ・シェフラーと8位のサム・バーンズ。「あしたも自分にできることを頑張りたい」と静かに意気込む。もう一度、隣で一緒に笑いたい。(イリノイ州メダイナ/桂川洋一)