松山英樹&久常涼が痛感した“世界一”の力「勝負どころでもうひとつ。あしたは勝たないと」
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇ザ・プレジデンツカップ 3日目(26日)◇メダイナCC(イリノイ州)◇7548yd(パー70)
10歳年下のパートナーがうなだれたときほど、松山英樹は明るく振る舞った。11番で2.5m、12番で6mのバーディパットを外した久常涼を見て、気遣うように手を叩き、ときに笑みを浮かべる。一打ごとに展開が目まぐるしく変わるマッチプレーでは、一時でも一緒に肩を落とすわけにはいかなかった。
初日に白星発進した28年ぶりの日本人コンビが、中1日で復活した。再び、それぞれの球でプレーする午前中のフォアボールで米国選抜の世界ランキング1位、スコッティ・シェフラーと同8位のサム・バーンズと相対した。勝って世界選抜を一気に勢いづけるには申し分ない相手だった。
序盤に2つのパー5である3番、6番でともにバーディを逃す痛手を負った。劣勢で松山が空気を変える。7番(パー3)、久常がロングパットを寄せてパーを確定させた直後、9mを流し込んでマッチをタイに持ち込む。9番(パー3)でバーンズにただひとりバーディを決められながら、続く10番で今度は10mを沈めて再びビハインドを打ち消した。
世界1位はスタートから長い時間、精彩を欠いていた。13番(パー3)でティショットを池に落とし、日本勢が初めて1UPでリード。松山にとっては前回2024年大会のシングルスマッチに続く勝利が近づいたが、シェフラーは土壇場で眠りから覚めた。15番、7mのバーディパットを流し込んで渾身のガッツポーズ。ホームのファンをついに熱狂させると、続く16番(パー3)からは相棒バーンズがアイアンショットをピンそばに絡めて連続バーディを決めた。
無念の3連続DOWNにより2&1で敗れた松山は、「やっぱり…あの勝負所で入れるのが世界ナンバーワン。あれ一発で流れを変えられてしまった」とシェフラーの一撃に脱帽した。前半のチャンスを生かせなかったことを悔やむのは久常も同じ。「最後を決めきるところが(課題)。 そこを全部、松山さんに任せきりで…。チャンスも多かったのに決めきれない。この“ノミの心臓”をどうにかしないといけない」と何度も頭を下げた。
午後のフォアサム(ペアで1つのボールを交互に打ち合う形式)ではそろって出番がなく、閑散とした練習場で最終日のシングルスマッチに向けて時間を割いた。チームは1998年大会以来の悲願の2勝目へ3ポイントリード。自身にとって初勝利を狙う松山は「勝負どころでもうひとつ行けなかったのが敗因。耐えていたけど、流れを持ってこられなかった。あしたは勝たないと」と悔しさを飲み込み、顔を上げた。(イリノイ州メダイナ/桂川洋一)