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「ビリにはならないように…」稲森佑貴は『82』の大たたき

◇世界選手権シリーズ◇WGC HSBCチャンピオンズ 2日目(26日)◇シェシャンインターナショナルGC (中国)◇7261yd(パー72)

これも将来への一歩になる。世界選手権シリーズ(WGC)初出場の稲森佑貴は第2ラウンドで「82」と崩れ、49位タイから通算12オーバーの76位に後退した。強風に翻弄され、1バーディ、3ボギー1ダブルボギー2トリプルボギー。「すべてがかみ合わなかった」と肩を落とした。

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インスタートの最後の組。稲森は夕焼けに照らされながら最終9番でホールアウトした。「ナイスショットをしてもフェアウェイを突き抜けたり、ピン筋にボールが飛んでも(グリーンで)止まらなかったり、ショートしたり…。縦距離も風(の見極め)もイマイチだった。そうしたら、いよいよパターも入らなくなった。てんやわんやの一日でした」

前半11番でダブルボギーが先行し、17番(パー3)では第1打を右手前のハザードエリアに入れた。打ち直してから3パットを喫してトリプルボギー。グリーンがせり上がった後半7番ではショートゲームにミスが出て、2つ目の“トリ”を記録した。「(ゴルフが)キライになりそうでした」と吐き出した。

2週前の「日本オープン」で待望のツアー初優勝。賞金ランキングを2位に上げ、世界のトップランカーが集うフィールドの出場切符が初めて舞い込んだ。鹿児島城西高2年時にプロ転向し、2012年に日本ツアーに飛び込んで以降、これまでの自己ワーストスコアは2017年「RIZAP KBCオーガスタ」第3ラウンドに記録した「79」だった。

周囲からは同伴競技者の明らかなスロープレーへの声も上がったが、稲森は直接的な言い訳にしなかった。大たたきにも「でも、いいかなって」と、うなずいた。「いい経験になっていくと思います。頭も真っ白にはならなかったんです、意外と。こんなショットの調子だから当然だなと。朝から調子も良くなかった」。コースや強風の吹いた環境、競争相手のレベルの高さよりも、自分のコンディションを悔いた。

「日本じゃなくて良かったかなと思います。ビリにはならないように気をつけたい」。24歳はもっと多くのことを吸収できる。(中国・上海/桂川洋一)

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