<佐渡充高の選手名鑑 125>トム・ワトソン
2014年 ザ・グリーンブライアークラシック
期間:07/03〜07/06 場所:グリーンブライアーリゾート(ウエストヴァージニア州)
パワーランキング: ザ・グリーンブライアークラシック
2014/07/03 16:11
徐々に浸透しつつあることだが、ティからグリーンまでの打数を抑えることの方が、パッティングの打数を少なくするよりも重要なのかもしれない。しかし、このセオリーを真っ向から否定する極端とも言える例が存在する。
昨年の「ザ・グリーンブライアークラシック」を例にあげると、2位と2打差で優勝したヨナス・ブリクストは、平均飛距離、フェアウェイキープ率、パーオン率で40位より下の数字を記録。ブリクストと同様の数字を残した選手は、トップ10には1人もいなかった。しかしながら、スウェーデン出身のブリクストは、48回のバーディチャンスで20回成功。さらにグリーン外からもバーディを決め21バーディを記録して優勝した。
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驚くことではないが、ブリクストはワンパット率で1位、ストロークゲインド・パッティング(パットのスコア貢献率)で2位、スクランブル率(グリーンを外した時に、パーかそれより良いスコアで上がる確率)でも3位タイという数字を残した。要するに、ボールストライキングの精度の悪さがショートゲームにプレッシャーを与えるということ。彼はこの難題を克服し、世間一般が思う常識に当てはまらない例外があると証明してみせた。
2010年に第1回大会が開催された後で大幅なオーバーホールを行ったグリーンブライアーリゾートのジ・オールドホワイトTPCは、それ以降、毎年同様のスコアで優勝が決まっている。
平均スコアがイーブンパーに-0.132と、昨季のパー70の設定では3番目に簡単なコースとなった(2つのパー5はインコースにあるためアウト34、イン36の設定となっている)。唯一変更された点は、パー3の18番ティ。PGAツアーに2つある、パー3が最終ホールとなっているコースの1つで、2012年の大会直前に思いがけず使用可能となった。だが、最大で175ヤードというヤーデージは問題にならなかった。今週の大会で使用する合計7,287ヤードというコースに変更点はない。
今大会も、先週の「クイッケンローンズ・ナショナル」と同様に、12位タイに入った選手のうち、まだ出場資格を持っていない上位4名に「全英オープン」出場権が与えられる。156名が出場する今大会序盤は悪天候に見舞われる可能性もあるが、その後は晴れ間が続く見込み。大会中の気温は約26度まで上昇し、乾燥したコンディションになるという予報だ。現時点では勝敗に左右するほど風の影響は無いと予報されているものの、気象条件が変わる可能性は十分にある。
【パワーランキング:ザ・グリーンブライアークラシック】
1、ジミー・ウォーカー
9位タイとした「全米オープン」以来となる出場。今シーズンはメジャー2大会でトップ10入りを果たし、3勝をマーク。昨年大会では2位タイとし、2011年と10年は共に4位タイとした。
2、ブレンドン・トッド
ゴルフを生業としている選手の中で、現在最も好調な1人。直近5試合で優勝、2度の5位タイ、8位タイ、そして「全米オープン」では17位タイ入賞を収めた。
3、ケビン・ナ
12位タイとした「全米オープン」以来となる出場。1ヶ月前の「ザ・メモリアルトーナメント」では、プレーオフの末に2位。前回出場した2012年の「ザ・グリーンブライアークラシック」では7位タイという成績を残した。アジャステッド・スコアリング(補正後の平均ストローク)は13位。
4、バッバ・ワトソン
30位タイとなった昨年に続き2度目の出場だが、今年に入り同コースを訪問した様子を収めた画像と動画をツイッターに投稿。2014年は2勝、2度の2位、そして1度の3位という成績を残している。
5、マーク・レイシュマン
好調を維持。出場した直近6試合中5試合でトップ25位入り。コングレッショナルでの「クイッケンローンズ・ナショナル」では、2日目を終えた時点で首位に立ち、最終的に8位タイとした。アジャステッド・スコアリングは23位。
6、ブレンダン・スティール
最近調子を上げている1人。「トラベラーズ選手権」、「クイッケンローンズ・ナショナル」では、それぞれ9位、12位タイ近くから5位タイにまで順位を上げた。
7、パトリック・リード
スランプを経験したが、コングレッショナルでの「クイッケンローンズ・ナショナル」で11位タイとし、不調脱出のきっかけを手にした。3日目を終えた時点では首位に浮上した。
8、ビル・ハース
昨年優勝した「クイッケンローンズ・ナショナル」で優勝を果たせなかった。「ザ・グリーンブライアークラシック」は過去3年連続出場中で、2011年にはプレーオフの末に敗れて2位タイ。昨年は9位タイだった。
9、ウェブ・シンプソン
3人目の子供が生まれたが、最近は勝利から遠ざかっている。「ザ・グリーンブライアークラシック」では、過去2度トップ10入り。昨年は初日に「64」と好スタートを切ったが、最終的に41位タイで終了した。
10、ブレンドン・デ・ヨング
各地を飛び回るが、コングレッショナルでの「クイッケンローンズ・ナショナル」で8位タイとし、出場した8大会で連続して予選を通過している。「ザ・グリーンブライアークラシック」は、昨年まで4年連続出場。昨年は17位タイだった。
11、ベン・マーティン
次のレベルに到達したと言って良い。コングレッショナルでの「クイッケンローンズ・ナショナル」を含め、今シーズンは3度3位という成績を残している。また、出場した直近7大会で続けて予選を通過している。
12、ダニエル・サマーヘイズ
予選通過こそ果たしているが、目立った成績は残せていない。だが、「ザ・グリーンブライアークラシック」では2012年に5位、そして2013年に9位タイという成績を残した。
13、スティーブ・ストリッカー
初出場となった2012年以来となる出場(12年は22位タイ)。ゆとりのあるスケジュールを組んでいるが、優勝を目指している。21位とした「全米オープン」を含み、出場した直近3大会でトップ25に入った。
14、クリス・カーク
「全米オープン」28位タイの実力者は、21試合連続予選通過中。2013-14シーズンは、これまでに3度トップ10、6度トップ25という成績を残している。また、成功したパッティングの平均距離を表したランキングでは10位。
15、スコット・ラングレー
28位タイとなった「ザ・メモリアルトーナメント」では、最終日の最終組でプレーし、上位争いに必要なことを学んだ。「トラベラーズ選手権」では、36ホールを終えた時点で首位に立ち、最終的には11位タイで終えた。