「こんなので振れる!?」デシャンボーものまねは要注意
2022年 ファーマーズインシュランスオープン
期間:01/26〜01/29 場所:トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)
時速221マイルを記録したデシャンボーが新1Wを語る
ブライソン・デシャンボーのボール初速を考慮すると、完璧なドライバーを探すのは難しいと言える。彼の平均初速である時速190.7マイルは、昨季のツアーで2番目の速さであり、少しでもオフセンターヒットをしようものなら、デシャンボーよりも20マイル遅い(170.4マイル)平均的なツアープレーヤーと比べて、より大きなトラブルを招くことを意味する。
これこそ、昨年デシャンボーがより寛容性と精度の高いドライバーを作り出すため、コブラと緊密に作業をした理由である。
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新しい複合素材で作られたコブラ「キングLTDx」ドライバーは、その努力の結晶である。
「(設計上の進歩の)多くは、昨年のインプットに基づいたものなんだ」。デシャンボーは「ファーマーズインシュランスオープン」の開幕3日前の月曜日、会場でGolfWRXに語った。「もちろん、厳しい時もあったし、素晴らしい瞬間もあった。僕らは、僕や初速の速い一般ユーザーにとってしっかり機能するドライバーを作るため、かなりハードに働いたと言って良いと思う。それに、初速の遅い世界にも活かせられる。必要なパラメーターを理解したからね。ひとたびコインの両側を理解すれば、その中間にもそれを存分に生かすことができるんだよ」
デシャンボーの主張の通り、コブラLTDxシリーズには、幅広いタイプのゴルファーに合わせられるため、3種類のオプションが用意されている。低スピン向けの「キングLTDx LS」モデル、標準の「キングLTDx」モデル、そしてドローが打ちやすい「キングLTDxマックス」の3種類である。
ハワイ州マウイでの「セントリー トーナメント・オブ・チャンピオンズ」では「LTDx LS」を実戦投入したが、トーリーパインズではロフトが僅かに5度ながら、より寛容性の高い「LTDx」標準モデルを握った。
設計的な視点からすると、「LTDx」シリーズの各モデルは、内部と外部の加重からなるPWR-CORテクノロジーで作られており、これにより重心を移動させることでパフォーマンスの向上を実現している。加えてオフセンターヒットのボール初速を増加させるため、厚みが異なる15のポケットが施された新設計のフェースも搭載されている。
クラウンとソールは軽量のカーボン複合素材で作られており、これらがチタン製のボディと組み合わさることで重心位置が下がり、寛容性を向上させることに寄与している。
「僕は断然フリー(にスイングできるよう)になった」と語るデシャンボー。「僕の予期しない方にボールは飛ばなくなったんだ。一般的に、初速が速い場合、それは市場にあるどの製品でも起こること。(コブラの)このドライバーは『飛び抜けて初速の速い選手たちが使えるようにしようじゃないか』とトライした最初のものなんだ」
メディア向けのイベントで、世界ドラコン王者カイル・バークシャーとともに姿を現したデシャンボーはLTDxプロトタイプを使用し、ボール初速で自己ベストの時速221マイルを記録した。
もちろん、そういうたぐいのスピードをPGAツアーで毎週のように期待することはできないが、デシャンボーはこの新しいドライバーにより、一貫して更なる高初速で打てるようになると見込んでいる。
「(時速221マイルを打ったのは)かなりイカしていたね。もちろん、コース上では状況は完全に異なるわけだけど、最終的に時間が経てば、一貫して190マイル超えを打てるようになる。どんどん飛距離を伸ばし続けることに興奮するよ。僕はそれを恐れていないし、これまで同様、限界を引き上げるのに挑むことを楽しんでいるんだ」
「まだまだ終わりじゃないというのが、このプロセス全体のポイントだと思う。僕らにはまだ、より良いバージョンが残されているんだ。それは、彼らも分かっているし、僕らも分かっている。これは大きな改善であり、僕がかつてない初速でプレーできるようになるための大きな前進だと思う。そして、それはみんなに当てはまると思う。絶対的に完璧というわけではないけれど、僕らは間違いなく理に適ったことをしているし、かなり大きな助けとなっている」
究極の試行錯誤愛好者であるデシャンボーは、鉛テープを貼ってドライバーのトウ側に重量を加えたと、GolfWRXに明かした。また、トーナメント開幕前にクラウン上側の内部に、更に重量を加えるかもしれないとのこと。
190マイル超えともなると、1グラムの違いが大きな意味を持つことになるのだ。特にフェアウェイをキープしたいのであれば、なおさらだ。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)