2022年 サンダーソンファームズ選手権
期間:09/29〜10/02 場所:ザ・カントリークラブofジャクソン(ミシシッピ州)
サム・バーンズがこの1年間で行った3つのギア変更
「プレジデンツカップ」でのデビューを果たしたばかりのサム・バーンズは、今週ザ・カントリークラブofジャクソン(ミシシッピ州)で開催される「サンダーソンファームズ選手権」でタイトル防衛に臨むことになる。
彼にとって、昨年の「サンダーソンファームズ選手権」での勝利はキャリア2勝目だった。彼はその後、同シーズン中に「バルスパー選手権」でタイトル防衛に成功すると、「チャールズシュワブチェレンジ」では、世界ナンバーワンのスコッティ・シェフラーをプレーオフの末に撃破して優勝し、キャリア3、4勝目を挙げている。
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昨季は、3勝と2位1回を含む8度のトップ10入りを果たしたバーンズにとって、記憶に残るシーズンとなった。また、彼は出場した大会の半数以上でトップ25入りを果たしている。
用具的に見ると、バーンズは昨季を終えた状態のままで今季をスタートさせている。バーンズがギアを変更することは稀であり、微調整すら頻繁に行わないため、これは驚きにはあたらない。実際、昨年のミシシッピでの優勝以降、彼が自身のセットアップに加えた変更は3点のみとなっている。2022年の初頭に、彼は次の3点の変更を行った。
1) 新ドライバー
2) 独特のユーティリティウッド
3) 大胆なプロトタイプの“アタック”または“アプローチ”ウェッジ
以下はGolfWRX.comが調査した、「サンダーソンファームズ」のタイトル防衛に臨む彼のギアの変更点と、その他の用具セットアップに関する詳細情報である。
ドライバー:キャロウェイ ローグST トリプルダイヤモンド(10.5度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLUE 7TX
昨年、バーンズは藤倉コンポジット VENTUS BLUE 7TXシャフトの装着されたキャロウェイ エピック SPEED ドライバーを使用した。しかしながら、2022年初頭に、彼はシャフトこそ、それまでと同じVENTUS BLUEながら、ドライバーをキャロウェイの新しいローグST トリプルダイヤモンドへとアップグレードした。
キャロウェイのジョニー・ワンダーは「バーンズが変更したのは、新しいドライバーを使用すると、ボールが下降する際その直進性をはるかに長く保つが故である」と述べた。ワンダーはこれについて、「高く吹け上がる右へのミスを軽減する」と述べた。VENTUS BLUEシャフトは非常に安定した先端部分の恩恵が増しつつ、彼にソフトなフィーリングをもたらすのである。
ワンダーは「ゴルフクラブの回転スインガーであるサムは、中間セクションに少し遊びがありつつインパクトでトルクが軽減されたシャフトを好む」と述べている。
4番ウッド:キャロウェイ マーベリック サブゼロ(17度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK 8X
バーンズのキャロウェイ マーベリック サブゼロは、クラブに17度と表示されているが、実際は15.5度に調整されている。ロフトを低くすることでクラブフェースのアドレス時の座りは若干オープンになるものの、バーンズは15.5度で自身の望む打ち出し角とスピン量が得られるのである。
キャロウェイによると、バーンズの4番ウッドのティショットの飛距離は265~270ヤードで、スピン量は3500~3700rpmとのこと。芝生から直に打つと彼の飛距離は260~265ヤードで、スピン量は4000rpmとなる。このクラブはバーンズのドライバーとユーティリティウッドの間の飛距離を埋めるために組み上げられた。
ユーティリティ:キャロウェイ エイペックスUW(21度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLUE 8X
昨年の「サンダーソンファームズ選手権」では、バーンズはまだ2015年発売のキャロウェイ APEXプロ4 ハイブリッドを使用していた。クラブ変更に気乗りしないバーンズではあったが、彼は2021年末に長年使用したハイブリッドから、飛距離が上がり、弾道が若干高くなるキャロウェイの新しいエイペックスへと乗り換えた。パフォーマンスの向上により、バーンズはボールを両方向に曲げられるようになったことに加え、着弾がソフトになったことで、ボールはグリーンに止まり易くなった。
アイアン:キャロウェイ APEX TCB(4番~PW、AW)
シャフト:トゥルーテンパー プロジェクトX 6.5
バーンズは2020年冬にキャロウェイとの共同作業で、それまで使っていたエイペックス プロ ダブルドットアイアンで出ていた球の散らばりを抑えようとした。彼は最終的に、打ち出しとスピン量に関して一貫性の向上したキャロウェイ APEX TCB アイアンへ乗り換えることで落ち着いた。以降、彼はずっとこのアイアンを使用しており、スタッツがギア変更の効果を示している。バーンズの2019年と2020年のストロークゲインド:アプローチ・ザ・グリーンは125位圏外だったが、過去2シーズンはこのスタッツがトップ30圏内に向上している。同スタッツが2020年には138位(-0.18)だったバーンズだが、昨季はこれをキャリア最高の18位(+0.55/1ラウンド)としている。
以前のイクイップメントレポートでも伝えたように、プロとしては珍しく、バーンズは2021年末にアイアンセットのAWをセッティングに追加している(Aは“アタック”あるいは“アプローチ”の頭文字)。コーチであるブラッド・プリンとの取り組みの中で、アプローチゲーム(グリーンを狙うショット)を向上させたかった2人は、それまで使用していたキャロウェイ ジョーズMD5 50度ウェッジから、従来のウェッジ設計に比べソールが広くてバウンスも多く、全体的な寛容性の高いキャロウェイ APEX TCBのAWに変更したのである。
結果的に、バーンズのPGAツアーにおける2021-22シーズンの125-150ヤードのショットの精度は12位だったことから、AWへの乗り換えは奏功したと言えそうだ。
ウェッジ:キャロウェイ ジョーズMD5 ノンメッキ(56-10S、60-12X)
シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイシュー S400
他の2本のウェッジに関して、バーンズはキャロウェイ ジョーズMD5 メッキなしモデルを選択している。最も注目すべきは、バーンズがソールのバウンス角が20度あるXグラインドの60度ロブウェッジを使用しているところだろう。フェースをスクエアに構えると、これは比較的大きなバウンスと言えるが、フェースの向きやライ角の異なるショットを打つ際、このウェッジはソールのトウとヒール部分の形状から多用途性を発揮するのである。
パター:オデッセイ オー・ワークス パター #7S
最後にバーンズのバッグを締めくくるのは、彼が長年使用するオデッセイOワークス#7Sブラックパターだ。彼はPGAツアーにおけるキャリアを通じて、このパターを使用している。“バミューダ・バーンズ”の異名通り、彼はこれまでバミューダグリーンでPGAツアー3勝を挙げており、今週も再びバミューダグリーンのCCオブ・ジャクソンへと戻ってくる。その異名を更に確固たるものにするべく、彼はバミューダでの勝利を積み重ねることはできるのか?とは言え、バーンズはどのグリーンでも、ツアーきってのパターの名手なのである。過去5シーズン(2018-22年)で見ると、バーンズは最低250ラウンドをプレーした選手の中で、3番目に高いストロークゲインド:パッティング(+0.51)を誇るのである。また彼は、直近2シーズンでは、連続してストロークゲインド:パッティングでトップ10入りを果たしている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)