2023年 ファーマーズインシュランスオープン
期間:01/25〜01/28 場所:トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)
マックス・ホマの“パパ”仕様カスタムウェッジ
「ファーマーズインシュランスオープン」での勝利は、マックス・ホマにとって6度目のPGAツアー制覇だった。それは父親としての初優勝でもあった。
第1子誕生後に、その選手の物の見方が変わるのはごく一般的な話の筋であるとともに、ソーシャルメディア上ではジョークのネタにもなっている。ホマもこのところ、父親ならではの視点をハッシュタグに載せて投稿することが楽しみの一つとなっている。
<< 下に続く >>
ジョークはさておき、妻子の同席はホマにとって土曜のトーリー・パインズでの勝利をより感情的なものにした。勝利の後、母親としての重責を担う妻に対する感謝の念を言葉にするとともに、育児の汚い面(いわゆるオムツ交換)にまつわる喜びについて述べた。また、自身の使用する4本のボーケイウェッジに息子の名前を刻印している。フェデックスカップで首位に立ち、世界ランキング13位につけるホマは恐らく最も人気のある選手の一人だが、今ではウェッジ4本に刻印された通り、“キャムの父”としても知られるようになった。
ホマは「今、自分は2つのことに対しハードワークをしているので、前よりちょっと難しくなったと感じてはいるけれど、これは100万倍もやり甲斐のあることなんだ」と土曜の夕方に述べた。「2人が18番グリーンの奥にいるのを見ながら、自分がゴルフトーナメントに勝とうとしているが分かっているのはクールなことだった。僕にとって、毎年感謝祭なんかで語る、お決まりのパパ的ストーリーになるだろうね」
ウェッジはいかなるツアープレーヤーのバッグにおいても重要な位置を占めており、選手個々の好みやスイング、そして彼らの直面するコンディションに合わせてカスタマイズされていなければならない。ホマは4本のボーケイデザインSM9ウェッジ(46.10F、50.12F、56.14F、60.04L)を使用している。点の左側の数字はロフト角を表し、右側の数字はバウンス角を表している。文字はグラインドのタイプである。ボーケイのツアーレップであるアーロン・ディルは“Cam’s Dad(キャムの父)”と新品のウェッジセットに刻印した上で、トリーパインズでホマに手渡した。
ディルは、ハイバウンスのサンドウェッジとローバウンスのロブウェッジの組み合わさった現在のウェッジ構成にいかにしてたどり着いたかについて次のように述べた。
「なぜ、このグラインドでこのバウンス角の物を使用するのか?と問うと、多くの場合『分からない。これまでこれを使ってきたから』という答えが返ってきます。ですので、彼と時間をかけ、どうやってセットアップを組み上げるについて少し掘り下げてみると、我々は特にグリーンサイドにおいて、彼のできるショットの種類が限定されていることに気付きました。私は少しバウンスの少ないオプションを彼に渡してみたのですが、すると彼は『なんてこった。これまでおじけづいていたショットをまた打てるようになった』と気付き始めました。バウンスを減らした薄めのソールのLグラインドにしたことで、彼は恐れることなく必要なショットを繰り出せるようになり、知っての通り、そのいくつかは奇跡的なショットとなりました」
「マックスはハイバウンスのサンドウェッジ(56.14F)とローバウンスのロブウェッジ(60.04L)を持っており、このコンビネーションが望み通りのショットを打つ能力をもたらしたのです。以前はMグラインドの60度を使っていましたが、彼にとっては少し幅が広すぎました。ソールの幅が広すぎると(フェースを開く時)トリッキーになります。ですので、少しばかり薄めのソールにすることにより(フェースを)開けるようになったのです。すわりはちょうど良い感じでクローズになっており、望みに応じて自由に使うことができるのです」
「PGAツアーの選手でMグラインドを使用する選手たちを見てみると、少しスティープ(上から打ち込み気味)だと思います。マックスはとてもシャロー(横から払い打つ)な選手です。彼は低いショットと高いショットを打つのにとても秀でています。一方で、シャローであるだけに、地面へ打ち込むことをおびえ過ぎる必要はないと思います。ですので、彼と(コーチの)マーク・ブラックバーンは、ショートゲームの精度を高め、そういう類(打ち込む)のショットをしないことでやりにくさを感じずにローバウンスウェッジを使いこなすことについて、とても良い仕事をしましたね」
正しいウェッジのセットアップを用いることで、キャムの父親はまた一つPGAツアーのタイトルを勝ち取ることができ、より大きな笑みを浮かべてオムツを交換できるようになった。
「こういう(PGAツアーの)トーナメントはすごく難しいけど、頂点に立てると、この上ない気分に浸れる」とホマ。「僕がついているから、息子はうんちし放題なんだ」
父親目線とは、よく言ったものだ。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)