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2021年 アバディーンスコットランドオープン
期間:07/08〜07/11 場所:ルネサンスクラブ(スコットランド)
「いま僕はココにいます」Vol.117 スコットランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いまぼくはエジンバラにいます。
「アバディーンスコットランドオープン」が8日(木)に開幕します。僕は3年連続3回目の出場、前週のアイルランド・ダブリンからは欧州ツアーが用意してくれるチャーター機に乗って1時間弱のフライトでした。
高額賞金がかかるロレックスシリーズのひとつ、今大会は豪華そのものです。空港で荷物を受け取り、駐車場に向かうと見渡す限りのBMW。1選手につき1台ずつ、期間中に貸与してくれます。先日借りたレンタカーよりもグレードも良くて…。スタッフの「安全運転でいってらっしゃい!」の声でテンションも上がりました。
エジンバラ近郊のホテルから、コースのルネサンスクラブまではハイウェイも通っていますが、僕は10分ほど遠回りして海沿いの道を走るのがお気に入りのルート。周囲に競馬場が建設された伝統のゴルフ場、マッセルバラ・オールドコースのわきを通り、以前「スコットランドオープン」が行われていたガレインGC、「全英オープン」会場のひとつであるミュアフィールドを目にしながらコースにたどり着きます。少し回り道ですが、僕にとっては癒やしになるドライブの時間です。
今大会は米国でプレーするトップ選手たちも集結し、優勝者に分配される世界ランキングのポイントはPGAツアー「ジョンディアクラシック」のちょうど2倍の56ptになりました。来週の「全英オープン」を見据えた選手が多いのですが、僕にとってはその「全英」切符獲得のラストチャンス。有資格者を除く上位3枠を奪い合います。
英国リンクスの空は開幕前から例によって荒れています。ただ、最初は面食らったそんなゴルフ場にも慣れてきました。朝からレインウェアを着込んでスタートし、「小雨なら晴れ」、「普通の雨なら曇り」、「土砂降りで雨」といった具合に気候を頭の中で変換します。
リンクスでは普段以上にショットが思い通りにいかないケースが多々あります。イレギュラーをしてバンカーに入ったり、ちょっと曲がっただけでブッシュに突っ込んだり。それで一喜一憂してはいられません。「右サイドのあのマウンドでキックしてバンカーに入ってしまったから、フェアウェイの左半分しか狙えないぞ…」なんて警戒ばかりしていると、ターゲットがどんどん狭くなり、自分を苦しめてしまいます。
ダメならしょうがない。不運もあるけど、幸運だってある。ボールがラッキーなキックをしてくれるときもある。そうやって楽しめるように、リンクスと付き合えるようになってきた今日この頃です。運もまた考え方次第。だからゴルフって面白い、こういうコースだからよりそう痛感させられます。「全英オープン」優勝は僕の小さいころからの一番の夢。モチベーションを高めてティオフしてきます。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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