旅人ゴルファー川村昌弘<記事一覧>
2022年 アブダビHSBC選手権
期間:01/20〜01/23 場所:ヤスリンクス(UAE)
「いま僕はココにいます」Vol.132 アラブ首長国連邦編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<< 下に続く >>
プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、アブダビにいます。
新年おめでとうございます。昨年末にスタートした欧州男子ツアー(DPワールドツアー)は今週、アラブ首長国連邦(UAE)での「アブダビHSBC選手権」で再開します。前週末に関西国際空港発の直行便でドバイに到着し、レンタカーで会場のあるヤス島に来ました。
新シーズンの開幕戦だった昨年11月末の「ヨハネスブルグオープン」は新型コロナウイルスのオミクロン株の影響で短縮され、日本に緊急帰国。そこからは国が指定する施設(ホテル)での10日間隔離を含めて14日間の隔離生活を送りました。お弁当生活が続き、最後の3、4日は冷たいおかずがのどを通りにくくなりましたが、無料で提供していただいた食事ですからね…。
10日間ホテルの部屋を出られない生活は、プロスポーツ選手には影響があると言わざるを得ません。外に出たときは歩くのもなんだかフワフワしていて変な感じ。練習を再開した直後は身体も思うように動かず、スイングのタイミングも全然合わなくて。ゴルフで言えば、調子を試合モードに戻すのには1カ月ほどかかりそうな印象も受けます。
束の間のオフを地元で過ごす中、年明けには熊本で永野竜太郎プロと“初打ち”。美里町にある日本一の石段(3333段)を登り切って、すがすがしい一年の始まりになりました。
月曜日に今年もお世話になるキャディのメグさんと合流し、さっそく練習ラウンドをしてきました。会場のヤスリンクスはアブダビ空港のそばにある、橋の向こうのヤス島にあります。開発が進んでいる地域で、フェラーリのテーマパークやレース場も。コースは水辺のリンクススタイルで、「広い、長い、風が強い」の三拍子がそろった中東のゴルフ場の代表といえます。宿泊ホテルはワーナー・ブラザースの経営だとかで、部屋も映画の世界のようなオシャレなつくり。ところで、アブダビでは17日に爆発や火災が発生しましたが、開幕前のプロアマも行われ、予定通り開幕できそうです。
次週のドバイでの試合を含め、まずはUAEでの連戦で新年が始まりますが、コロナ禍で依然として大会の中止や変更が相次ぎそうで、今年も当面の間はスケジュールも組みにくくなるでしょう。
とはいえ、プレーできることがありがたい。ツアーの名称もDPワールドツアーに変わったことで各大会の賞金額もアップし、さらに夢のある主戦場になりました。2022年も目標は、初勝利を飾って、シーズン最終戦に出場すること。2022年も応援よろしくお願いします!
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
川村昌弘選手の略歴・戦績はプロフィールページで