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「いま僕はココにいます」Vol.170 イングランド&30歳おめでとう編

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・30歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はバーミンガムにいます。

今週の欧州ツアー(DPワールドツアー)はイングランドで行われる「ベットフレッド英国マスターズ hosted by ニック・ファルド」。スウェーデンでの「ボルボ スカンジナビア・ミックス」以来、3週ぶりの試合になります。

先週のドイツでの試合を休んで日本に一時帰国していました。今週から続く連戦を短くするのと、運転免許証の更新が目的。ずっと海外にいることもあって、無事にゴールド免許を受け取れましたよ。

免許の更新…と言えば、そうなんです。6月25日が30歳の誕生日でした。18歳でプロゴルファーになってからあっという間。自分との向き合い方はそう変わりませんが、周りを見渡すと時間が過ぎたことを実感します。

高校を卒業して飛び込んだプロの世界で、僕は「自分が一番年下」というのが当たり前でした。日本ツアーはもちろん、アジアンツアーに出場したときは塚田好宣さんや平塚哲二さん、片岡大育さんといった選手たちが“お兄さん”。欧州ツアーに進出した当時はちょうど谷原秀人さん、宮里優作さんといった大先輩にいつもかわいがってもらっていました。

それがいまや、欧州ツアーにいる日本勢は年下の選手ばかり。金谷拓実選手が昨年からスポット参戦し、今年は久常涼選手が予選会を通じて出場権を獲得。日本の賞金ランキングの資格を得た比嘉一貴選手、星野陸也選手、岩崎亜久竜選手も転戦を続けています。

スウェーデンでは久常選手と毎晩のように夕食をともにし、今週は岩崎選手も一緒です。ザ・ベルフライはリゾート地で、選手にはコース内の宿が用意されますが、昨年までの出場で“ちょっと飽きてきた”僕はバーミンガムの市街のホテルに宿泊中。コースに滞在している彼ら2人は、月曜日と火曜日は僕の練習が終わる時刻に合わせてゴルフ場を出て、みんなでダウンタウンへ向かいご飯を食べました。

久常選手と岩崎選手のツアープロとしてのキャリアはまだ3年目。日本ツアーでの長期シードなどを持たず、つまり“保険”がないまま、何のためらいもなく海を渡ってきました。2018年秋に欧州ツアーの予選会を受けた当時の僕とも似た状況を思うと、彼らのマインドには共感できるところがあり、2人を含めた後輩みんなの存在は刺激的でもあります。

節目の30歳になったとはいえ、自分自身の感覚は中学生くらいの時とあまり変わっていないというのが正直なところ。5歳でゴルフに出会った頃と同じ熱量のまま25年も経ち、改めて幸せな人生だと思えます。30代もより良いものになるように頑張り続けます。

旅人ゴルファー

Profile

川村昌弘
川村昌弘Masahiro Kawamura
1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
川村昌弘選手の略歴・戦績はプロフィールページで

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