「いま僕はココにいます」Vol.205 スコットランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はセントアンドリュースにいます。
2年に一度の対抗戦「ライダーカップ」を終え、DPワールドツアー(欧州ツアー)が再開します。「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」は2日(木)に開幕。スコットランドにやってきました。
「フェデックス フランスオープン」の後、1週のオープンウィークは陸路で欧州大陸を旅しました。フランス・リヨンから山を越えてイタリア・トリノへ。1泊した後、4時間ほど運転してベネチアに初めて立ち寄りました。
さらにオーストリア・ザルツブルクを経由して、過去に滞在したハルシュタットの湖のほとりも訪問。最後にドイツ・ミュンヘンでラーメンを食べ、フランクフルト空港からスコットランドのエジンバラに飛行機でやってきました。1週間で5か国に滞在。欧州ツアーに復帰してこその毎日だと改めて感じます。
アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権には2年ぶりに出場します。プロとアマチュア、168人ずつが出場する巨大な試合で、全選手が予選ラウンド3日間で3コースをプレー。世界に名だたるセントアンドリュース・オールドコース、カーヌスティ、キングスバーンズを回り、上位者だけが18ホールの決勝ラウンドをプレーするため聖地・セントアンドリュースに帰ってきます。
天気の悪い中、毎日コースの移動を強いられ、ツアーの中でも最もタフと言える試合。それでも、ゴルフ好きにとってはこの3コースに来られること自体がスペシャルです。仮に予選落ちしても、練習ラウンドを含めてこの歴史あるコースを6回(3コース×2回)もプレーできるんですから。残り試合と照らし合わせて、賞金やポイントを稼ごうと考えると、このゲームは休んで体調を整えるのも、もちろん選択肢のひとつ。ですが僕は「やっぱりあそこでゴルフしたいな…」と、体がうずいてしまいます。
坂井恵キャディが一時帰国していたため、大会前の練習ラウンド限定で父がキャディを買って出てくれました。2人で欧州のコースを訪れたのは、2019年に英国でゴルフ旅をして以来、約6年ぶり。
この大会はプロアマ形式の実際の試合でも、プロと家族の一員がペアを組んでプレーすることが珍しくありません。2023年にはマシュー・フィッツパトリック(イングランド)が個人戦を制した上に、母のスーザンさんとチーム戦でも優勝。そういった特別なゲームでもあるのです。僕もこのまま欧州ツアーで長くプレーできたら、いつか父とペアを組む日が来るかもしれません。