大西魁斗ら国内男子ツアーでもジワリ流行る「ALIGN」グリップ そのワケとは
◇国内男子◇ドラッグストア・コスモスカップ◇グランフィールズCC(静岡)◇7156yd(パー70)
以前、米ツアーで「バックラインユーザーが多い」という記事を書いたが、なんと日本の男子ツアーでも、じわじわとバックライン入りの選手が増えていた。正確には、表面部に突起が付いた「ALIGN(アライン)」グリップに替える選手が増えた、といった方がいいかもしれない。
岩崎亜久竜や小木曽喬といった4~5年以上のヘビーユーザーもいるが、最近になってアラインを装着し始めた選手もいる。その一人が古川龍之介だ。「指の引っかかりのおかげでフェースをコントロールしやすくなり、曲がり幅が減りました」と、その効果をすぐに実感したという。
そして同じく今季からアラインを使い始めたのが、前週「リシャール・ミルチャリティ」で優勝したばかりの大西魁斗だ。愛用してきたグリップ「SUPER TACK」が廃盤になることで、やむなく別のグリップを探している中で出合った一本だった。
ジュニア時代から一度もバックラインを入れたことのなかった大西ではあったが「練習仲間の木村太一のアラインを握らせてもらったら『これいいじゃん!』ってなりました」とグリップしてその良さを知った。初めてのバックラインに違和感はなかったのだろうか。
「ずっとグリップがしっくりこない感覚があったので、いつかちょっと(バックラインを)やってみたいのはありました。でも、なんか滑りにくくなったんですよね。突起の部分の赤いところが滑り止めみたいになって。あ、これなら信頼できるなってなりました」
大西は裏側の突起だけでなく、前側の目印も活用している。アラインにはグリップ前側の中央部分に赤い目印があり、そこに左手親指を合わせるという。「毎回ここをしっかり合わせないとアドレスに入れない」。もはやショットの基準になっているようだ。
それだけ前後の位置を重視するだけに、グリップが「ちゃんと真っすぐ入っているか」が重要になる。「グリップ交換は1時間以上かかります。入れてもらった後、グリップが乾く前に一本一本自分で微調整しています」という念の入れよう。グリップがわずかに曲がって入っているだけで、ミスショットにつながりかねないからだ。
ヘビーユーザーの小木曽喬の意見も聞いておきたい。小木曽は「アライン以外考えられないっす」と言い切るほど徹底している。プロ入り前はツアーベルベッドのコード入りでバックラインを入れていたが、アラインが発売されてすぐに乗り替えた。「マスターズ限定カラーの緑バージョンのアラインが合ったんですよ。知ってます?」と自慢げに話すあたりも、その”アライン歴“の深さを物語る。
「特に右手のこの指の腹に引っかかる感じがいいんですよね。スイングが安定するというか…」と解説を始めた。「こう両手を絞って握りたいタイプなので、突起があるとなんか絞りやすい。グリップに圧がかけられます」と言って、実際にグリップを絞る仕草をみせた。小木曽も大西同様に、グリップ交換は昔から通う地元の工房に依頼している。
聞けば聞くほど味わい深いバックラインの世界。こうした細かいこだわりが、プロの一打一打を支えているのだなとつくづく思った。(静岡県三島市/服部謙二郎)