前週はWGC 久保谷健一が驚愕した選手は
エルス、ミケルソンらがメジャーで使ったアイアン型ユーティリティ
米国や日本ツアーは2012年も全日程を終了しシーズンは一段落。選手によっては来季の用具契約の更新や新規契約も大詰めの段階を迎えているところだ。さて今年、海外メジャーで、ちょっとした話題になったクラブがあった。キャロウェイのアイアン型ユーティリティ。鮮やかなグリーンの挿し色がまぶしい見慣れないドライビングアイアンのような一品だ。
狭く絞られたフェアウェイを攻略するため、フィル・ミケルソン、ジム・フューリックが「全米オープン」でバッグに入れた。その後、同じく厳しいセッティングとなる1ヵ月後の「全英オープン」でアーニー・エルス、ブランデン・グレース(南アフリカ)らが使用。エルスは最終日の猛烈な巻き返しから、アダム・スコット(オーストラリア)のメジャー初制覇を阻んだのはいまも記憶に新しい。
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キャロウェイ社によると、正式名称は「Xユーティリティ プロトタイプ」。来年、日本でも発売される予定があるという。しかしながらこちらのクラブ、今シーズンは生産本数が少なく、米国から他ツアーに分配される量は限られており、日本のツアーバンにもほとんど在庫が無い状態だった。入手困難なこのニューギアを日本でまず使用していたのは、同社と契約するブレンダン・ジョーンズ。シーズン後半戦、BJのバッグにはロフト18度、21度の2本が入り、ウッドはドライバーとスプーンだけというセッティングが続いた。
同社の担当者曰く「アイアン型ですが、重心が低く設計されているので、ボールはよく上がるようです」とのこと。上から見ると、ソールの部分が飛球線と反対方向に飛び出だしており、アドレスしたときの“座り”も良さそう。特異な形状ではあるが、イメージが出しやすいプレーヤーには大きな武器となりそうだ。
ちなみに「三井住友VISA太平洋マスターズ」で、ジョーンズと同組でラウンドした日本オープン覇者・久保谷健一は「BJはなんだかアイアンだか、ユーティリティだか分かんないクラブで、270、280ヤードくらい飛ばしてくるんだもん。もうイヤになった」とボヤいていた。そんなに飛ぶのは、ブレンダンのパワーがあってこそだということも、お忘れなく。