手嶋多一が22年連続で守った賞金シード喪失 新たな“現役最長”は?
アイアン一新の手嶋多一が20年替えられないクラブ
◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン初日(27日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ(福島県)◇6961yd(パー72)
手嶋多一が多くのクラブを入れ替えて好発進を決めた。アイアンを今月21日に発表されたばかりの『ミズノプロ118』に総入れ替え。手にしてからの事前ラウンドは18ホールだけという“即決ぶり”で、6バーディ「66」は首位に1打差の6アンダー5位タイで滑り出した。
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「久しぶりにブレードタイプのアイアンを選んだ」という手嶋が、ニューモデルに納得したのが、前半2番(パー3)でのティショット。打ち下ろしの172ydで8Iを握り、ピンそばにつけて2連続バーディ発進を決めた。おろしたての同シリーズのウェッジもまだピカピカ。これも“練習しないプロ”たるゆえんだろうか…。
一方で48歳のベテランには長年持ち替えられないクラブもある。『ホットメタルF-135』という3Wと、『ワールドマスターIII』(いずれもミズノ製)シリーズの5W。「ロフト18度は当時は4Wだったからソールに4と書いてあるけれど、今なら5W(に相当する)」という年代物で、付き合いは20年近くになるという。
「最近の3Wは300yd飛ぶというけれど、ミスをしたときに果たしてどうか? これ(手嶋の3W)は240ydしか飛ばないけれど、ミスをしても220ydは飛んでくれる。アゲンストのときにも強い球が出るから、常に計算できる」という硬いマネジメント術で、継続中の選手では最長の21年にわたってシードを守ってきた。
「3Wでスチールシャフトを入れてるのは、世界でもオレひとりだと思う。タイガー・ウッズが7年くらい前に諦めて(カーボンシャフトに替えて)、『勝った』と思ったもん(笑)」。最新テクノロジーを搭載した期待の武器があるからこそ、長年の名器の存在も際立つ。道具に限ったことではなく、選手もまた同じだ。(福島県西郷村/桂川洋一)