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稲見萌寧が8年ぶりにアイアンをチェンジ…選んだのはナニ?

◇国内女子◇富士通レディース 事前(12日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679yd(パー72)

稲見萌寧が8年ぶりにアイアンを替えた。厳密に言うと、2020年にブリヂストンのアイアンを途中で挟んではいるが、2015年から2週前の「日本女子オープン」まで愛用してきた相棒「P770アイアン」(テーラーメイド)を、ついに家に置いてきたのだ。

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5番アイアンから新しくバッグに入ったのは、「ミズノプロ243」だ。稲見は「顔の見た目とか、抜け感とか、飛び方とかも含めて全て、自分の使っているやつよりも100%いいやつじゃないと替えない」という。つまりその“100%いいやつ”と出合ったわけだ。それだけ評価の高いアイアンとは気になるが、「ミズノプロ243」と言えば、ミズノから今年新しく出たアイアン「ミズノプロ」の3機種(241、243、245)の中での中位に位置し、飛びと打感を兼ね備えたハーフキャビティモデルだ。「もう替えが無いので…」と、稲見は長らく「P770」の代わりを探してきていたが、その代役としてハマったのが、契約フリーの選手がこぞって使うミズノのアイアンだったわけだ。

それにしても、いったいいつから試していたのか。「軽井沢(NEC軽井沢72)で初めて試して、そのときはヘッドが軽く感じて、球がちょっと弱いかな…と。でも、鉛を貼ったらちょうどいい感じだったので、鉛を貼らないで同じぐらいの重さにできないかをミズノの方に相談したんです」。そんなリクエストにミズノが応えた。「先週(スタンレーレディスホンダ)に新しいヘッドを持ってきてくれて、練習場で打って良くて、試合前日のプロアマのラウンドに持っていって良くて、ギリギリで試合に投入しました」と、そこからバッグに収まった。「(前に使っていたモデルより)ちょっと飛距離は落ちるので、距離の階段は微調整していますが、なにより打感が良くて…、申し分ないです」と手応えを口にしており、新たな“長期政権アイアン”を見つけたかもしれない。

ミズノのツアーレップ(用具担当)によれば、「ヘッドには個体差があるので、稲見プロのリクエストに合う重さのあるヘッドを選んで組み直しました」とのこと。まさに職人のなせる業だ。シーズン中にアイアンを替えるのも珍しいが、「稲見プロから『できることならシーズン中に試したい。気持ちが戦闘モードのときじゃないと、いいかどうか分からない』とリクエストがありました」(同レップ)とは、いかにも勝負師の稲見っぽいエピソードだろう。

稲見は前半戦は予選落ちなども続いていたが、秋口から徐々に上位をうかがう位置まで調子が戻ってきた。新アイアンを武器に、ツアー終盤戦の台風の目となるか。(千葉市緑区/服部謙二郎)

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