上原彩子の“カルくて、シブい”1Wシャフト
米女子ツアーを主戦場にする上原彩子は、昨シーズンの途中から1W(現在はピン G400 LSテック ドライバー)のシャフトに、藤倉ゴム工業の「プラチナム スピーダー」を装着している。ツアーの会場ではあまり目にすることのないモデルで、硬さはSフレックス、重量は40g台という珍しいスペックだ。
以前まで上原は同社の「スピーダー エボリューションII」を使用。60g前後の重量感のある“弾き系”を使っていたが、昨夏のツアー会場で、この軽量シャフトをテストして好感触を得た。「打ってみると軽くて、しかもシャフトが軟らかく感じたのでスイングしやすく、ショットの正確性も向上した。飛距離も5ydくらい伸びたので使い続けています」と説明する。
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同社の担当者、甲斐哲平氏によると、実際のところは「プラチナムは重量が40g台後半と軽いにもかかわらず、超高弾性が特徴。軽くて硬いはずのプラチナムを『軟らかい』と感じる上原選手の感想とは相反します」とのこと。「しかし、シャフトが軽くなったことでスイング中に“しなり”を感じやすくなり、そう感じているのかもしれません」と定型の数値論とは別次元で、望ましいフィーリングが出ている。
このプラチナムは、「ダイヤモンド スピーダー」とともに、同社では「ジュエルライン」というブランドでラインアップされている。ジュエルラインはメーカーには卸さない、工房限定モデル(リシャフト専用)。「ツアープロに対しても、エボリューションを試してもらってから、さらに細かな要望があった場合に提案するモデル」と同氏。「フジクラとして『やりたいことを実現してみた製品』という位置付け」という、なんとも玄人好みのシリーズだ。
上原は「プラチナムは、デザインがちょっと渋くて。女子プロはあまり使ってないみたいなんですが、私は全然気にならなかったので使ってみました」という。米国で6年目の今季は4月の「ANAインスピレーション」ではメジャーで優勝争いに加わり8位と活躍を続けている。