来年は“米5勝キャディ”とタッグ 17歳・佐藤快斗の小さな野望
主催ジュニア大会Vの17歳が男子ツアーで大健闘 来年は僕も担ぎます!/進藤キャディ解説
国内ゴルフツアー競技も、男子の最終戦「日本シリーズJTカップ」を残すのみとなりました。PGAツアーを中心に国内外のさまざまな話題をピックアップしてきた本コーナーも、2022年は今回が最後。特別編としてお届けします。
比嘉一貴選手の賞金王初戴冠、チャン・キム選手のツアー新記録32アンダーVに沸いた「カシオワールドオープン」。個人的に注目していたのはアマチュアの佐藤快斗選手でした。8月「日本ジュニア」で2位に入った埼玉栄高2年の17歳。プロツアー出場3試合目で初めて予選を通過し、通算16アンダー16位で見事ローアマを獲得。3日目には「64」のビッグスコアもマークする堂々のプレーぶりだったと思います。
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佐藤選手、実は今月5日に行われた「進藤大典 ジュニアトーナメント2022 Supported byアイダ設計」の優勝者でもあるのです。
この大会は初めて開催した2021年からポイント積み上げのステーブルフォード方式を採用。ボギー1pt、ダブルボギー0ptに対してバーディ4pt、イーグル8pt、アルバトロス12pといったポイント配分にすることで、より良いスコアには1打以上の“ボーナス”が与えられるようにしてきました。もともと「失敗を恐れず、攻撃的なプレーを楽しめるように」と考案された方式ですから。
昨年の「日本ジュニア」を制したナショナルチームメンバー・大嶋港選手との優勝争いでも、18ホールのストローク数では佐藤選手が1打及ばなかったものの、イーグルを奪っていた分、1pt差で勝利を収めました。
スタート前の練習からきれいなスイング、十分な飛距離とジュニア全体のレベルの高さを感じていました。参加選手がプロツアーで好成績を収めると、不思議とこちらまで誇らしい気持ちになります。
ジュニア選手、親御さんにとって思い出に残るようなイベントにしたいという気持ちから大会を立ち上げて2年目。人、時間、お金…ワンデートーナメントといっても開催にあたっての苦労は並大抵ではなく、この2年も何とか無事に終えることができたというのが実感です。
大会への思い入れも増していくばかり。いずれのカテゴリーでも熱戦が繰り広げられ、高校女子の部では飯島早織選手が5ホールに及んだプレーオフを制して優勝。一進一退、まさに息をのむ展開は見ていて熱くなるものがありました。
ありがたいことに、高校男女の部の優勝者にはそれぞれ「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」と「ゴルフ5レディス」の出場権を用意することができました。これもひとえに協賛企業をはじめ、多くの方々の助力があってこそ。感謝してもしきれません。
来年、佐藤選手と飯島選手が今回出場権を獲得したツアーに出る際は僕がキャディを務めます。各大会の主催者から「面白いね!」と賛同を得ることができ、実現する運びとなりました。
ジュニア選手の可能性を広げ、夢と未来につながる手助けを―。来年以降も、そんな大会を目指して精いっぱい取り組んでいくつもりです。そして、キャディ“復帰”に備えてトレーニングを怠るわけにもいきません(笑)。
少し早いですが、皆さま一年間ありがとうございました!(進藤大典)
- 進藤大典(しんどう・だいすけ)
- 1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。