「勝ちたいなら、自分自身がゴルフに尽くす」 祝50歳・不動裕理コラム

不動裕理
不動裕理(Toru Hanai/JLPGA via Getty Images)

国内女子ツアーで通算50勝をマークした不動裕理が10月14日に50歳の誕生日を迎えた。昨年は「日本女子シニアオープン」で優勝し、レギュラーツアーにも7試合に出場。日本ゴルフのレジェンドはどんなキャリアを過ごし、いま何を思うのか。GDOの連載コラムで胸の内を明かす。

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申ジエさんが「日本女子オープン」の優勝で日本女子ツアーの永久シード権を獲得しました。「これから日本人の永久シード(通算30勝)選手は出るだろうか?」と話題になることもあります。でも、今の若い選手は国内ツアーで優勝を重ねると、米女子ツアーへ旅立つことが増えました。

10年以上シード権を維持する選手の数も少なくなったし、現状で20勝以上している日本人現役プレーヤーは横峯さくらさん(23勝)と鈴木愛さん(22勝)の2人だけ。今後、国内だけで30勝を積み上げるのは、これまで以上に難しいことに感じます。近年の異常な暑さの影響で、試合数が減る不安もないとは言えないし、条件は厳しくなりますよね。とはいえ、アメリカからUターンして活躍する選手がいるかもしれないし、誰かがやってくれるんじゃないか、という期待はあります。

時代がどう変わろうと、私たちのゴルフの根本は変わりません。韓国人選手がツアーを席巻していた頃、「(韓国勢に)勝ちたいなら、自分自身がゴルフに尽くすことだと思う」とコメントしました。上に行きたい、勝ちたいと願うなら、ゴルフに尽くす。私としてはゴルフという存在を、自分の横にある「貴重品」のように大切に、リスペクトを持って扱うというイメージです。その貴重な存在に対して真摯に向き合い、結果を求めるからこそ、尽くす必要がある。

後輩選手から「どうやったらそんなに優勝できるんですか?」と聞かれることがあります。決して悪い質問だとは思いませんが、大前提として知ってほしいのは「ゴルフはものすごく難しい」ということ。トーナメントはどの試合でも100人以上が出場して、勝つのはたったの1人です。「優勝とは、そんなに簡単にできることではない」という難しさを、心の底から理解しているかどうかが、一つの分かれ道になると思うんです。

優勝するために必要なのは、その上で「まずは優勝争いの回数を増やすこと」と答えています。「何度も優勝争いはしている」と言う選手でも、年に2、3回程度ではまだ足りないくらい。同じ2位でも、10位からプレッシャーなく追い上げて届かなかった2位と、首位で競り合って敗れた2位とでは、中身が全く違います。本当の優勝争いという状況を、どれだけ多く経験したかがモノを言うのです。

私は初優勝まで3年近くかかりました。その間に2位が6回、3位が5回。でも「なぜ勝てないんだろう」という焦りは不思議となかった。ゴルフは難しいものだから、うまくいかなくて当然。そう思っていました。今振り返れば、あの勝てなかった3年間の経験がなければ、その後の私はありませんでした。勝つために、絶対にスキップできない必要な時間だったんです。

初優勝は長いゴルフ人生における一つのきっかけだったに過ぎません。大切なのは、難攻不落のゴルフという存在にどこまで尽くし、本当の修羅場をくじけずに積み重ねていけるか。運不運もある。結果は私が決められるものじゃないから。できることをやる、それしかないんです。

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