2019/12/29GDOEYE
スマイルシンデレラの目覚め 渋野日向子の2019年を振り返る
物語の始まり
4月19日、熊本空港カントリークラブ。全組がラウンドを終えた午後5時前。上位につける選手たちは記者に囲まれて取材に応じ、撮影を終えたカメラマンたちは一気にクラブハウスに引き上げてくる。
居残り練習する選手を見ようと、記者やカメラマンが行き交う。夕暮れ時、ゴルフの会場では特にせわしなく時間が過ぎる。
そんな取材とは無縁。たった一人、渋野日向子はスマートフォンを耳にあて不安そうに切り出した。「81をたたきました。どうしたらいいでしょうか」。シーズン7戦目の「KKT杯バンテリンレディス」初日。渋野は10番からスタートする最終組で回り、9オーバーの最下位に沈んでいた。プロ入り後、ワースト...